2010年09月01日
都市伝説物語 ひきこ
原作・脚本・監督・CG製作:奇志戒聖/2008年/日本
個人制作系のアニメ作家として古くから活動されている奇志戒聖氏のホラー作品。彼の作品で最初に見たのは何だっけか? たぶん、DoGAのCGアニメコンテストで見た入賞作品か何かだったと思うが…。あの頃からレベルは凄く高かったが、40分もの中編作品を、このクオリティで作ってしまうのだから凄いねぇ。いやはや。
ここからは、ネタバレ注意!
そもそも日本のホラー映画って、心理描写で怖がらせることが多いわけで、そのためにはいかには生っぽさ(リアル感)を演出するかが大事になってくる。だから、3Dで恐怖映画をやるっていうのは、3Dでアダルトを作るくらいチャレンジングなことだと思う。
実際にはアダルトの3D作品もあるわけだから、この試み自体はとても面白いとは思う。ただし、3Dだからこその新しい何かを付加しているというよりは、あくまでも通常のホラー映画の文脈に則った形で作品が作られていたように思う。
そういう意味で、実写だったらさらに怖かったんじゃないか? とか思わなくもない。そこで3Dならではの演出とかあると、さらにすごい展開があったかも。でも、この作品の良かったところは別にあって、それはラスト。ネタバレになっちゃうけど、一気に人の記憶を反転させていくところが凄く良かった。
一つだけ気になったのは、先生が殺されるシーンは、ぶっちゃけ先生とガリガリのゾンビだったら、先生のほうが強いだろうと思ったんだが、そういうところはどうなんだろうね。心理戦で追い込まれなければ、力では負けないだろうし。
Posted by Syun Osawa at 00:16