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2010年09月06日

PR誌地獄w 2010年6月号−7月号

熱風 2010年6月号

特集は「赤毛のアン」。この特集に寄稿しているメンツが凄い。高畑勲、高橋留美子、杏、柴崎友香、宇野常寛、等々。内容的にはどうということはなかったが、僕的にはかなり今風なというか、熱いメンツだったw 宇野氏が『熱風』に書いたのって初めてかな? 最近はよくテレビにも出ているし、同世代ではかなり売れっ子の批評家ですな。

ちくま 2010年6月号

斎藤美奈子氏のコラム「「女性を描く」と強姦小説+妊娠小説になるのはなぜ?」が面白かった。村上春樹や大江健三郎によって描かれた現実の女性とはかけ離れた女性像が登場する小説をディスっているわけだけど、でもまぁ、「現実の女性って何かね?」って疑問は残るわな。女性からそれを言われれば、男としては返す言葉がないよね。

本 2010年6月号

野矢茂樹氏の連載「語りえぬものを語る」が最終回。この連載を僕はずっと読んでいたけど、結局半分も理解できなかった。論理学はムズい。あとは東浩紀氏の連載。こちらも面白い。ネットのコミュニケーションについての言及は相変わらずズバッと明快で、共感できる部分が多い。

月刊 本の窓 2010年6月号

このPR誌結構好きなんだけど、発行部数が少ないせいかなかなかお目にかかれない。今回の特集も「デジタル書籍に未来はあるのか」とあって、興味深い。で、そこに前田塁氏やら中沢けい氏らが寄稿していた。前田塁氏って、イケメンだし声もいいのでテレビに呼ばれる理由はよくわかるんだけど、書いてる内容はいたって普通なんだよなw

図書 2010年6月号

和田春樹氏の「『坂の上の雲』と朝鮮」の中で、同小説では朝鮮のことがほとんど触れられていないと書かれていた。それが、テレビドラマの脚本の中でもネックになっているのではないかという指摘だ。なるほど…。僕は小説版が2冊目の途中で挫折しているので、第二部がスタートする前にちゃんと読み切りたい。横尾忠則氏のコラムは、読書体験はサプリメントのようなもので、善にも悪にもなるという話。僕の読書量では大したことないと思うが、ブログを読んでる量も合わせると、かなり悪の方が強くなってるかも…。羽田正氏の「世界史を構想する」というコラムもなかなか面白かった。『図書』は当たり外れが激しいが、当たるときはかなり充実になっている(もちろん僕的に)。

UP 2010年6月号

東京大学出版会のPR誌。瀬戸口烈司氏の「ダーウィンの著作は『種の起原』か『種の起源』か」というコラムは、サブカル雑誌のライターが書くような内容で、なかなか面白かった。あとは五味文彦氏の「加賀の宗教力の源泉を考える」とか。日本の新興と加賀という地域の特殊性について書かれている。仏教って本来あまり戦争しない宗教だと思っていたのに、どういうわけだか加賀ではバリバリ戦っていて、そういうのが白土三平の漫画でも指摘されていた記憶があるが、その背景には加賀の白山信仰なんかも影響しているのかも。

波 2010年6月号

ムダに分厚い新潮社のPR誌。中島稔氏が自著『眠れぬ夜の精神科』のコラムを書いていて、この本をちょっと読んでみたいと思った。僕もちょっぴり精神ヤバめなのでw 巻頭でよしもとばなな氏がインタビューを受けていたり、有名人が多く寄稿しているんだけど、コレ!といった感じはなかった。最後のページに『画家たちの「戦争」』という新刊が紹介されていた、これはかなり面白そうなので読むと思う。

ちくま 2010年6月号

斎藤環氏や堀江敏幸氏らが書評を書いていたりして、貰ってきたと思うのだが、佐野眞一氏の「“寒流”政治家」というお寒いタイトルに始まり、何と言うかグッとくるコラムがあんまりなかった。あっ、山田洋次氏の「理想の演出」という書評はなかなか面白かったな。あと、斎藤環氏の「「家族」は、最後に残った「理不尽」な絆」という話は、友達にネタとして使わせてもらった。

一冊の本 2010年7月号

なかなか手に入れることのできない朝日新聞社のPR誌。このPR誌の(というか、朝日新聞の)巻頭が一番ミーハー趣味な人選だと思う。今回は松本善明氏が「自殺の文学の中の生の文学」が巻頭だった。太宰治と共産党の関係がちょっと触れられていた。僕はこの両者の関係について長らく知らなかったので、どの程度の付き合いだったかには結構興味を持っている。何しろ太宰自身が元共産党員らしいので。

本 2010年7月号

いつものとおり東浩紀氏の連載を読んでいる。無意識の話。ネットに関する考え方は非常に共感できる。巻頭の連載が、矢野茂樹氏から上野修氏に変わり、「哲学史のワンダーランド」という連載が始まった。内容はなかなか面白そうだが、第1回のタイトルが「世界のそこが抜けたとき」ってのはどうなのよw 小川原正道氏が自著『近代日本の戦争と宗教』の解説していて、この本物なかなか面白そうだった。うーん、面白い本いっぱいだ。

UP 2010年7月号

今月号のUPは僕好みのコラムが結構載っていた。松本三和夫「「第三の波」をこえて」、西廣淳「生物の多様性を守る」、佐藤康宏「前略 横尾忠則様」、長谷川眞理子「ヒトとチンパンジーはどこが違う?」、泊次郎「知的誠実さとは何か」等々。このレベルの易しい文章がたくさんあると、僕みたいな素人でも楽しんで読めていいね。

波 2010年7月号

巻頭で大江健三郎氏が故・井上ひさし氏の『一週間』を激奨している。そーいや、井上ひさしの小説って読んだことないや。あとはまぁ、ぼちぼち。巻末の広告で『画家たちの「戦争」』という本が出ていることを知った。これは読まないとね。

図書 2010年7月号

巻頭コラムはジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏。ジブリと岩波書店の蜜月って何なんだろうねぇ。岩波から出るとやたらと高くなるから、個人的には徳間と組んでほしいんだけど。今号は丸谷才一氏の「平野謙の方法」をはじめ、高橋敏氏の「親出の鉄舟宛次郎長書簡」など面白いのがいっぱいあった。「図書」はたまに凄く僕向きな号があるんだよね、今回もそういう号だった。

Posted by Syun Osawa at 01:57