bemod

2010年09月15日

フラッシュダンス

監督:エイドリアン・ライン/1983年/アメリカ

フラッシュダンスゼロ年代のダンス映画をツラツラと見てきて、「今起こっていることはクラシカルなダンス(モダンバレエなど)とストリートダンス(ブレイクダンスなど)のハイブリッドである」なんて書き散らかしてきたけれど、何のことはない、この映画からしてすでにハイブリッドだったわけねw

ダンス映画の名作として名高いこの映画を前に見たのはおそらく20年以上前だと思う。内容についてはかなり覚えていなかった。ドラマ部分がいまいちピンと来ないのは、今のダンス映画と同じ。ただし、ラストのダンスパートに関してははっきり覚えていて、最初にダンスを失敗してやり直すシーンなどは記憶に残っていた。

このダンスシーンは今見ても驚くほどレベルが高く、バレエの要素を取り入れつつも途中にウィンドミルなどのブレイクダンスの技も取り入れている。僕は当然本人がやっていると思ったから、あまりのレベルの高さに度肝をぬかれ、twitterにも「ジェニファー・ロペスがPVの中でカバーしたダンスよりはるかに上手い!」と書いてしまったのだが、残念ながら代役だったらしい。

そう考えると、今のダンス映画はドラマパートがかなりB級とはいえ、役者自身がダンスをこなしており、そういう意味でのリアルさやライブ感みたいなものはより強く出ていると思う。

ストーリーのほうは、炭鉱労働者をやりながらダンサーを目指すというかなり無理のある設定や、その現場監督(?)と恋に落ちたり、地元のキャバレーでチンピラとひと悶着あったりと、かなり貧乏くさい展開だ。にもかかわらず、最後のダンス部分だけが光り輝いていて突飛な印象を受けるが、その点、ゼロ年代の映画は上手く修正されている。ただし、社会的マイノリティにいる人たちが成り上がるという、ストリートダンスの持っている古臭いイメージが、結局ギリギリのところで更新されていないところは若干気にかかるのだが、このあたりは、もう少しいろいろなダンス映画を見てみないと何ともいえないな…。

ところで、この監督って『ナインハーフ』の監督なのね。

Posted by Syun Osawa at 01:44