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2010年10月31日

マンガ脳の鍛えかた

門倉紫麻/2010年/集英社/A5

マンガ脳の鍛えかた「週刊少年サンデー」編集部から出版された『僕のまんが道』(全2巻)を買ったのは小学校のときだった。その本はマンガ家のインタビューを収録した本で、僕はこれを読んで初めてマンガ家というのがどういう人たちなのかを知った。以来、僕は描かれたマンガと同じくらいマンガ家が好きである。

今回の本もそんなマンガ家好きにはたまらない内容だった。インタビューの内容は『俺のまんが道』ほど深堀りされていないが、現在のジャンプ系の人気マンガ家たちのインタビューを載せているという点で大変貴重だと思う。

インタビューの項目は、マンガを描くときに使用する道具の話だったり、どのようにネームを切るか、どれくらいの期間でマンガを仕上げるかといったもので、実際に同人などでマンガを描く人や、プロのマンガ家を目指す人を対象にしているのだろう。僕も一時期本気でプロのマンガ家を目指していたことがあったので、彼らの仕事場を写した写真の一枚一枚がズシンと胸に来た。

どの写真も「マンガを描く」というただ一つの目的のためにチューンナップされた部屋である。自分に与えられたすべての時間をすべてマンガに差し向け、その部屋でひたすらマンガを描き続けている彼らの姿勢を見て、僕はすべての面において甘かったと改めて感じさせられた。

デビュー数年の新人から、デビュー何十年の大ベテランまで、すべてのマンガ家たちが「面白いマンガを描きたい!」というシンプルな目的をモチベーションにしていることも素晴らしいと思う。本宮ひろ志が「デビューして時も、今も何も無い」と書いていたが(売れるための黄金の法則などないという意味で)、こういうところに日本のマンガの強さはあるのだと思う。

Posted by Syun Osawa at 00:42