bemod

2011年05月29日

ガールズ・ネクスト・ドア

監督:ルーク・グリーンフィールド/2004年/アメリカ

ガールズ・ネクスト・ドア隣人が同級生でしかも超美人、でも彼女は元ポルノ女優だった…という、わかりやすい設定。作品の構造はエリート少年とポルノ女優の関係というある種の階層差を描いていて、『プリティ・ウーマン』なんかの構造と同じだと言えば同じかも。

この作品には、Amazonのレビューがたくさんついている。『24 -TWENTY FOUR-』にキム役で出演しているエリシャ・カスバートがヒロイン役を演じているせいなのだろう。僕は『24』を見たことがないので、「あの『24』のキムがポルノ女優役を!」みたいな興奮を得られずちょっと残念。たしかにエリシャはかなりの美人だと思う。

僕の感想の大半は、ぶっちゃけエリシャのビジュアルに尽きていたりするのだが、演出面について少しだけ引っかかるところがあった。最初に述べたように、この作品の主人公とヒロインは階層差があるので、ラブストーリーであると同時に、その階層差の問題でもドラマを展開しなければならない。そのため、二人が恋に落ちるという展開はかなり早めにオチがつく。そこから、彼女が元ポルノ女優であることが明かされ階層差のドラマへ移行するのだが、それも中盤くらいでかたがつき、また恋の物語に戻ってしまった。

その展開自体は決して悪いとは思わない。ストーリー的に弱いと思われるところを補強していったら最終的にああいう形になったのだろう。ただ、最初に用意された童貞男とポルノ女優という最も引きの強いキャラクターをぶつけたときに起きる大きな化学反応はなく、淡々とプロットどおりに話が展開していったという印象は否めなかった。この印象は、恐らく童貞やポルノというものに対して、日本人のほうがアメリカ人よりはるかに強い意識を抱いているからだと思われる。

あとは、この手の青春エロバカコメディを見ていて毎回思うことだけど、アメリカの若者にとって、いかにルールからはみ出したイカれた行動をとれるか? みたいなところがクールの対象基準になっているのだろうか。そのくせ、セックスに関しては最後の一線だけはなぜか守っている。みんな露出が高いし、キスやペッティングまでは簡単にいくのに、その先となると急に拒むという。それは宗教のある国だからそうなのか、そういう演出をすることで映画会社が若者を戒めているのか、その価値基準が僕にはサッパリわからないが、ともかく日本の事情とはちょっと違う感じはする。

Posted by Syun Osawa at 20:37