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2011年08月12日

40歳の童貞男

監督:ジャド・アパトー/2005年/アメリカ

40歳の童貞男ここしばらく見続けているエロコメディ作品の中では、一番面白かった。僕の中でエロコメディというのは『メリーに首ったけ』のようなものであってほしいという願望があって、下品なんだけどグッとくるという王道の展開が本作にもあった。

ストーリーはタイトルそのまんまで、40歳の童貞男が彼女を見つけ、セックスするというだけの話だ。アメリカにも日本のようなオタクのまま大人になった男がいて、そういう男がいかに恋愛するかというプロセスがコメディタッチで描かれている。まぁ、日本のオタク系漫画なら、テレビの中から美少女が出てきたり、妖精だったりロボットだったりがオタク中年の願望を叶えてくれるような展開になるのかもしれないが、この作品はそういうベクトルで作品が展開していかない。そこがよかった。

ネタバレになるが、本作の魅力は、オタク中年がいかにして恋愛するかという部分ではなく、45歳前後の中年女性の性が描かれているところにあると思う。日本だとそのあたりの性は中村うさぎあたりがエキセントリックに描きがちだけど、高校生の娘を持つバツイチ女性がごくごく普通に恋愛する様子が、オタク中年の童貞喪失というイロモノ的展開の裏側で描かれている。

そして、最後に童貞だとか、バツイチだとか、子どもの有無などを超えたところに愛することの素晴らしさがあることをこの作品は教えてくれる。まさにコメディの王道的な泣かせの展開を演出していて、とても晴れやかな気持ちになった。監督のジャド・アパトーは他にも『スーパーバッド 童貞ウォーズ』などの作品を作っていて興味深い。

Posted by Syun Osawa at 02:05