bemod

2012年01月24日

TPP亡国論

中野剛志/2011年/集英社/新書

TPPへの加入の賛否をめぐって、世間では議論が加熱している。

僕はTPPについて何の知識も持っておらず、TPP加入の賛否について何も言うことができない。テレビを見ると政府を含めて大勢は賛成に流れているらしく、一方で農業関係者をはじめとして一部に根強い反対論者がいるようだ。そして、反対を唱える論者としてよくメディアに登場するのがこの本の中野剛志である。

中野氏の話は大変わかりやすく、主張も明快だ。よーするに私たちは日本人なのだから日本の国益を守りましょう、と言っているのだ。では、TPP加入の賛成論者は日本の国益に反することを言っているのかというと、そうではない。賛成派も同じように日本の国益になると言っているのである。

超約すれば、賛成派はTPP加入後のフラットで市場原理に駆動された世界で勝ち抜けると思っている人たち、反対派はその世界で勝ち抜けないと思っている人たち、と両者を分類できるかもしれない。twitterのツイートを見ると、ネトウヨ系というかアイコンに日の丸つけて愛国関連のツイートばかりしてる人たちは概ねTPPに反対のようだ。

この本を読んだ直後は僕も反対の意見に同調していたのだが、その後、ニコ生などで放送されているTPP関連の放送などを見るにつれて、賛成は避けられないのではないかと思うようになった。その理由は、TPPに加入しないと世界から取り残されるという強迫観念からではなく、保護政策で潤う人たちを守ることが日本の国益につながるとは必ずしも言えないと思うようになったからだ。このあたりのことは深く勉強しているわけではないのでこれ以上何とも言えない。今は何となくそう思うようになったというだけだ。

Posted by Syun Osawa at 02:20