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2012年03月22日

第3回 講座・貸本マンガの時代

2011年10月23日/14:00-16:00/森下文化センター

第3回のテーマは「貸本マンガの世界 〜 父娘二代、マンガ家として」で、ゲストは今村洋子さんだった。講座に行っといて何だが、僕は今村さんの漫画を読んだことがない(というか最近、ほんと漫画読んでないなw)。だから、作品から立ち上がる何ものかについて、僕の経験を踏まえて感想を書くという事はできないのよね。

とはいえ、そもそもこの講座の扱っている貸本マンガもほとんど読んでないので、いずれ僕の中に湧き上がるであろう大量マンガ消費欲求の到来に備えて、周辺の教養を身につられればいいな…くらいに聞いていた。

今村さんの家族は、父親(今村つとむ)も弟(今村ゆたか)もマンガ家という、大島永遠『まんがかぞく』にも勝るとも劣らない熱い家族構成である。今村さんの話を聞いた印象では、マンガに対して独りよがりな作品を作るというよりは、読者が望む商品を作るという意識が若い頃から強かったように感じられた。子どもの頃から父親のアシスタントをしたことも影響しているのだろうか。

高校球児の中にも、優れた選手はプロ野球に入った後の事も考えて日々のトレーニングをしているらしいから、もうこの点からしてサラブレッドなのである。もちろん、二世がそのままエリートマンガ家になれるほどマンガ業界も甘くないはずだが、「プロの漫画家としてデビューする」という最初の壁くらいは、二世ならば越えられそうな気もする。というのも、僕も10代から20代前半のころまで一生懸命マンガを描いていたが、読者のことやプロとしての漫画作品のことなんてほとんど考えていなかった。

自分の好きな描きたい作品をただ描いているというところから、プロの視点を導入するのは案外難しい。これはモチベーションの部分とも繋がる話だが、現在は食うためにマンガを描くという動機が成立しにくいからだという気もする。僕の場合はただマンガ家になりたいという動機だけがあった。

ちなみに、この話は才能のある人にはまったく関係のない話である。

Posted by Syun Osawa at 01:43