bemod

2004年08月03日

エイベックスと愛すべき B 盤

今回のゴタゴタも漫画のような話だった。騒動はふるーつぽんちの近野成美も所属しているアクシヴの社長、千葉龍平氏が役員会で解任動議を出されたことに端を発している。それに怒った松浦氏が追随という流れだが、ではこの千葉氏とは何ものなのか? 以前、BEMOD でも一度だけ彼について触れた事 がある。

Musicnan-NET のインタビューに感銘を受けたためだ。彼は高校中退後,定時制の高校を 23 歳で卒業。その後小さな印刷会社の職人を経て、小室哲哉との出会いをきっかけに社長へと登りつめていく。松浦氏のサクセスストーリーはよく知られているところだが、エイベックス自体がこういう上昇志向のアウトローによって支えられてきた部分に感慨がある。

エイベックスの作品で記憶に残っているものというと初期の Prodigy くらいしかない。しかし、例えば山下達郎はエイベックスについて以前こう語っていた。

「80年代までは変なレコードがよく出ていた。たとえばテイチクなんかから。今でいうとエイベックスなんかがそうじゃないかな。10年後、20年後に聴いたときに『何だコレは?』と思うものが出てくるかもしれない。」

エイベックスは名曲を残さないかもしれない。しかし、間違いなく語るべき B 盤は残すことだろう。なぜならそこにはエリートにはなし得ない愛すべきいい加減さがあるからだ。例えば今回の解任動議でも、松浦氏の辞任、所属アーティストからのコメント、松浦、千葉両氏の復帰。ネットで「エイベックスは心配ありません」のコメント。

このスピード感が愛らしい。「今の無し!無し!なかったことにして☆」的な子どもじみたところが僕は大好きです。

Posted by Syun Osawa at 22:49