bemod

2004年08月10日

エイベックス・ドリ〜ム 1

a_dream千葉氏(株式会社アクシヴ)の解任動議に端を発した「エイベックス危機」は浜崎あゆみのキツイひと言で収束した。ミーハーな僕も各新聞社のネット報道や掲示板などを漁ってみたが、イマイチ判然としない。基本的に CCCD とかはどーでもよくて、社長職から退いた依田氏がかつて『平成日本のよふけ』(フジテレビ)で語っていたような「ドリ〜ム」なエイベックスの歴史がむしょーに知りたくなった。

というわけで、水草岳司著『エイ・ドリーム』(新風舎)を読んだ。水草氏はエイベックスが草創期だった1990年に12番目の社員として入社し、1999年に退社した方。同書はエイベックスの暴露本ということで、ZAKZAKなどでも取り上げられていたようだが、僕が読んだ限りでは誠実で冷静にエイベックスの変遷を記した本だと思った。

僕はエイベックスの成り上がり方が好きだ。それはこの本を読むことで、その思いは一層深くなった。たとえばこんな一文がある。

エイベックスは90年からこのミデム(カンヌで開催されるコンベンション)に参加し、そこで世界の音楽シーンの現状に触れると同時に、さまざまなビジネス・チャンスをものにしてきた。(中略)その中でも最大の収穫は、91年のミデムで「テクノ」と出会ったことだ。

エイベックスは91年に「テクノ」と出会ったのだ。テクノファンの人は「はぁ?」と思うかもしれない。しかし、この一文にこそ、エイベックスの重要なパワーの源が詰まっている気がしてならない。たとえば、初期のエイベックスはいわゆる「ユーロビート」を前面に押し出した会社であった。しかし彼らがユーロビートを売り出そうとした80年代後半、巷ではユーロビートはすでに過去のものとなっていたはずだ。新興勢力の後出しジャンケンが何故ここまで成功したのだろう?

つづく

Posted by Syun Osawa at 22:06