bemod

2004年09月19日

チェチェンで何が起こっているか?

カフカスの小さな国文京区区民センターで チェチェンニュース の大富亮氏とジャーナリストの林克明氏がベスランの学校占拠事件を受け報告会を行うというので、川崎での『ワラッテイイトモ、』上映会 の帰りに参加した。つい最近、林克明氏の『カフカスの小さな国』を読んだこともあり、テレビではなかなか語られることのない「チェチェンの今」の報告を楽しみにしていた。参加費の1000円も知的欲求を満たすための代金として支払った。

しかし、最初にビデオで流されたのはテレビ朝日と日本テレビのニュース報道。その後は、本を読めば載っているようなことを説明し、最終的に学校占拠事件などに至っては「わからない」を繰り返していた。僕は平和団体の協調行動に参加したかったわけではない。1000円はカンパじゃない。ただ単純に、テレビでは流されることのない、つまり林克明氏が『カフカスの小さな国』で書いていたような内容を映像的に見せてくれるものだと期待していたのだ。だって、テレビ局にはそういう映像を提供しているのだから。

ロシア側の謀略説(ロシアがチェチェンの犯行と見せかけて自作自演を行っているという説)は僕にとって興味深いし、昔読んだ寺谷弘壬氏の『ロシアマフィアが世界を支配するとき』や『ロシアン・マフィア』的な文脈での推察が僕が一番聴きたかった趣旨ではある。しかしそのあたりはむこうのニュース報道を和訳する程度で歯切れが悪く、最後は「わからない」というところで終わっていたのが残念だった。本質的な問題として、これは国家同士の戦いなのか、それとも一般人を巻き込んだマフィア同士の戦いなのか、僕にはサッパリわからない。また林氏が感銘を受けているチェチェン人の美意識とシチリア・マフィアやコーサノストラの掟の美学が僕にはダブっても映る。でもその理由はよくわからない。とにかくわからないことだらけだ。

Posted by Syun Osawa at 13:15