2004年11月17日
昭和史七つの謎 Part2
保阪正康/講談社
梅田の紀伊國屋で1万冊以上売ったという謎本(というくくりでいいのかどうかは知りませんが…)『昭和史七つの謎』の第二弾。ゾルゲ事件に大本営発表、陸軍中野学校に天皇の戦争責任問題、そんでもって田中角栄。今回も的を絞った初心者向けのミステリーがテンコ盛りです。
たとえば、A級戦犯について「アメリカの一方的な裁判だ!」的な捉えられ方が若者の中で浸透しているけれど(実際それで7人が死刑執行をされるし)、それ以外のA級戦犯は意外と楽勝でシャバに出て、何事もなかったように過ごしている感じを「謎の一つ」として提示している。イラク戦争で捕まったフセイン以下の幹部達はじゃあどうなるんだろう? 楽勝でシャバに出てくるのかなぁ? とか考えながら、出てこれないでしょう普通、との思いに至る。
なかでも「戦争責任」とは何か? の考察は興味深かった。たしかにわかったようなわからない言葉だし。本書ではそれを考える指標として、以下のような表を提示していた。
(縦軸)
- 開戦責任
- 戦争を終結させなかった責任(終戦責任)
- 敗戦責任
- 国民に事実を知らせなかった責任
- 国民に過酷な運命を強いた責任
- 国民の財産を守らなかった責任
- 国際法を無視した責任
- 戦争の結果について報告を怠った責任
- その結果に基づいて具体的行動が伴っていない責任
- 戦争被害に対する責任
(横軸)
- 政治的責任
- 法律的責任
- 道義的(人間的、倫理的)責任
- 歴史的責任
- 経済的責任
- 社会的責任
この表を使って、天皇の戦争責任とはどういう事を指すのかを検証していたのだけれど、僕の興味は現在進行中のイラク戦争について、ブッシュは、そして小泉はどれほどの戦争責任があるのかという事。うーん。やってみると意外に難しい。
Posted by Syun Osawa at 23:42