2005年05月07日
第17回 DoGA CGアニメコンテスト その1
13:00-17:00/サンパール荒川
年に一度の自主アニメの祭典。場所がどんどんマニアックになっていくなぁ…w
毎度のことだが大きい賞ほど素晴らしいという事は絶対になく、結局は「アニメを何で評価したのか?」のさじ加減だけなんだと思う(個人的には変形ロボットアニメと青春萌えアニメの二本柱にして欲しいけど…)。
そんな適当な観賞テーマを脳髄に貼り付けて、今回もありがたく観賞。なにぜ無料イベントですから。主催者に感謝。
キャットウォーク
by 北田伸
この作品は雰囲気いい(天気もよい)。猫の動きも愛嬌があるし、舞台となる壁も存在感を持ってる。水辺の壁ってだいたい匂うよねーって感じのリアルな意味も含めて、3Dの冷たさがかなり解消されてる気がする。ラストも好き。
都市東京
by 小柳祐介
多摩美のグラ展でも見たような気が…。僕はこの作品のコンセプトがかなり好き。特にデスクトップのような小さな画面で楽しむアニメーションとしての良さををビシビシ感じた。画面の安っぽさと、交わされる内容の安っぽさ。それらが高度な技術を通じて行なわれている虚しさ。これぞ東京って感じ。ただ大画面の上映会でこれを楽しむのは難しいかも。
舎人 TONERI
by t'sGRAPHICS
気を抜いてみていたら、内容がよく理解できないまま終わってしまった。空間をよく使ってるセル系3Dアニメだったことは間違いないようだ。最後の大蛇との戦いはかなり迫るものがあって、3Dの持ち味が出てると思う。ドあたまにナレーションを入れて物語の概要を説明してくれてたら、僕みたいに気楽に見てる人でも楽しめたのにと思った次第。「時は飛鳥…」ってやったらそりゃ野暮だけど、僕向きではある。
Apartment!
by 青木純
かなりの衝撃作。とはいえ東京芸大映像美術部という凄い肩書きから連想するような先鋭的な作品ではない。個人アニメのコンテストがいま一番忘れている楽しさの部分を真摯に追求している作品だと思う。「八時だよ全員集合」のような舞台装置を使いながら、ベタなネタをあくまでミニマルに展開していたところがツボに入った。この人凄い。
ロプノール
by NAMI
作画にまず感動。主線(黒い枠線)が細い時点で「ムムッ」と思い、しかもそれが元気に動いたので「ヤヤッ」となった。携帯電話と距離(宇宙)ってセカイ系を代表するような小道具を現実感なく使っていて、狙いはポストセカイ系? っていう意味での不条理さを感じないわけではなかったけど、現実感のなさとオチのなさはやっぱ違うじゃないかなぁ。現実感はなくてもいいけど、不条理なりの決着はつけてほしかった。次回作もかなり楽しみ。
A CLOCK
by 原田健司
ひと昔前の3D系ショートフィルムってこういうニュアンスの作品が溢れていたように思う。最近は海外の作品でしか見かけなくなった。こういうシンプルな楽しみって3Dにはあるよなぁ。キャラクターの造形が可愛くてね、そこが羨ましい。
かがみのげんおん
by 宍戸幸次郎
こういう作品をアート系って括りで片付けてしまうのはちょっと悲しい。例えばPhotoshopで適当にエフェクトをいじっていると思いがけない素敵な効果が生れたりする。でもそれは適当にやった結果であって、人間の観察と努力から生れた効果ではない。僕はこの作品に後者を感じる。光が揺れるブラインドに反射して移動していく感じとか、水面の揺らめきとか。ゾクッとするような生々しい感じが映像からビシビシ伝わってくる。こういう表現を単純化して深みを読み込まない傾向は、「ゲーム脳」ならぬ「アニメ脳」なんつーものがあったらそれに該当しそう。ようするに観賞する側の問題。冒頭で「アニメを何で括るのか?」って書いた意味が一番問われそうな作品。
Posted by Syun Osawa at 23:11