2005年05月15日
第17回 DoGA CGアニメコンテスト その2
Turquoise Blue Honeymoon
by 栗栖直也
主人公の二人の距離感をはかる世界の設定が上手い。そして前作の『文使』よりもキャラクターのディティールにリアリティが増しており、映像力に圧倒された。無個性に埋没しそうな3Dキャラクター作品が多い中で、独特のオリジナリティをもったキャラクターの作り方も興味深い。ただし、凄い状況に陥っているわりに緊迫感はない。
総天然色少年冒険活劇漫画映画 ハルヲ
by Shao Guee.Com
3D作品に「漫画映画」というタイトルをつけてしまう作者の心意気にまず感動。しかもこれが処女作品だって言うんだから二重の感動があった。使用ソフトはAnimation Masterとのこと。僕も持っているけど、こんな凄いことができるのね、このソフトって。ほとんど触ってないのでちょっと興味出てきた。内容よりも作品の裏側に感じる作者のテンションが好き。
全知全能4次元ちゃん
by スタジオぽぷり
大学のアニメ研究会のOBによる作品との事。そう言われればそんな感じの匂いあるなw 昭和の匂いってヤツですかね。好きですよ。石川プロなんかも含め、個人的にはこの系譜がある意味で一番正統派って感じがする。
走れ!
by 青木純
『Apartment!』に続いての受賞。短い尺の中で一人の男性の人生を描いた力作。インパクトもあるし、酔っ払ってゲロ吐くところとかユーモアもあるし、商業的なセンスをビシビシ感じる。こういう人がテレビ局とかで制作に入るんだろうかね。僕は『Apartment!』の方が断然好き。
夏と空と僕らの未来
by 井端義秀
今回の上映会で見た作品の中では一番感銘を受けた。マンガの手法をアニメーションの解釈で捉えなおしたという作品。『フリクリ』しかり『 BIBLIOMANIE 』しかり、似たようなところを試みる作品はチラホラあるが、この手法に対する真摯さではこの作品が随一だと思う。僕のお気に入りのシーンは、一番最初のページで少年が階段を駆け上がり、廊下を真っ直ぐ走っていくシーン。あれがあったから、あとずっと好印象。
僕の萌え耐性の貧弱さから、内容はほとんど覚えていない。覚えているのは、モノクロのユーモラスで漫画的なアニメが、エンディングに進むにしたがってカラーのアニメ的アニメになっていくところの感動のみ。感情と画面の躍動感がシンクロしていくようで、心がブワーッと開いていく感じがした。ここでちょっと不思議な気分になる。内容をあまり理解(つーか共感)してないのに、何で心が開いていく感じがしたのかということ。技法の方に目を奪われた僕の未熟さとシンクロしたのかもね。
『ウシガエル』と大賞の『MY HOME』は 第3回 インディーズアニメフェスタ に書いたとおり。今回の上映会はパッと見て楽しめる作品が多かったような気がした。楽しんだし。
つづく
Posted by Syun Osawa at 00:37