bemod

2005年07月18日

イントゥ・アニメーション4 その1

主催:日本アニメーション協会/セシオン杉並

イントゥ・アニメーション416日から19日まで開催されていたインディーズアニメの祭典。3DやFLASHなどを含めると、各所で似たようなイベントが開催されているが無料でこのボリュームの作品群を見ることができるのは、東京アニメフェアとイントゥ・アニメーションくらいじゃないだろうか。

本当は全プログラム見たいんだけど(近所だし…)そういう余裕もないので、山村浩二さんの新作『年をとった鰐』が見られる17日に参加。そーいや、前回は『頭山』を観に行ったんだっけ。夏休み入りたての日曜日という事もあり、各プログラムほぼ満員だった。

午前中に行なわれていた子ども向けプログラムには高畑勲さんも来ていたらしいが、僕はもう腐中年なのでパス。C、D、Eプログラムを観賞した。最初に言っておくと、この三つのプログラムで一番感動したのは島村達雄さんの『霧湖伝説―第2稿』と横須賀令子『GAKI琵琶法師』だった。学生の卒業制作の目覚しい快進撃を横目に、大ベテラン2人の作品が琴線に触れまくって何とも嬉しかった。

てなわけで、感想をツラツラと。


【Cプログラム】

何の音?&フワフワたべもの

by 木村光宏/上映時間:8分45秒

NHK『いないいないばぁっ!』の1コーナーのアニメらしい。パッと見てクレイかなと思ったら前者は毛糸、後者は布で作られたアニメなのだそうだ。展示コーナーで実物を見たが、意外にシンプルにできている。布で作った料理アニメは、あまりにも忠実に作りすぎていて、布の温もりを実感できなかった。上手すぎるというのも考え物だな…。湯気の処理はアフターエフェクトかなんかでやっているのだろうか?

てるてる坊主はオサムライ

by 西村緋祿司/上映時間:2分30秒

NHK『みんなのうた』より。70年代を感じさせるセルアニメ(必ずしもセルとは限らないが)。わりと安定感のある上手な作りと展開で「アニメだなぁ…」という雑な気分になりつつ、歌のクオリティの高さに釘付けになる。歌なので言葉で説明するのは難しいがタイトルから想像して欲しい。歌モノなんである意味正しい楽しみ方。

雪渡り

by こぐまあつこ/上映時間:13分40秒

クレイアニメ。とっても丁寧な造形と骨のある物語で、見応えがあった。キツネから渡される団子を肯定的に捉えていて、そこからキツネの世界へっていう流れが良かった。走るとか歩くという単純な動画が結構ぎこちなかったんだけど、わりとこういう部分って女性作家さんは気にしないのかも。ところで背景は手描きだろうか? とっても綺麗でまいった。クレイの世界って奥深い。タイトルも素晴らしい。

SFの助

by 布山タルト/上映時間:4分15秒

「動くの?コマ」展 で見た作品。間違いなく子供向けではないw あと「布山」は「ぬのやま」ではなく「ふやま」らしい。

よる

by 奥村優子/上映時間:8分00秒

不謹慎ながら『Dr.スランプ』に出てくるニコちゃん大王が頭に浮かんでしまい、そこからはずっとその事ばっかり考えてしまった。キャラクターが溢れてますからね。夜を走る電車というテーマは『銀河鉄道の夜』にも『千と千尋の神隠し』にも出てくるが、どれも人間の内面と電車そのものがリンクしているのが興味深い。現実世界では、僕は夜の身延線に乗ったときこんな気持ちになった。

金のまきば

by 坂井治/上映時間:4分40秒

NHK『みんなのうた』より。イントロからタイトルまでの展開が秀逸。キャラクターも可愛いし、空間も幻想的で美しい。そして何よりノイズの加え方が絶妙だ。時代はノイズですな。展示ブースへ行ったら絵本まで出ていて、いやはやRobotに隙無しって感じですかね。ツッコミどころは「新風舎」くらい。

こまねこ

by 合田経郎&峰岸裕和/上映時間:5分

どっかで見たなぁ…。コマ撮りアニメを作っているクマをコマ撮りしたアニメ。クレイってほとんど見ないけど、少なくとも今回見た作品の中では一番滑らかな動きをしているように思えた。背景も立体造形っぽい。曲も「こまねこ〜」が連呼されており、キャラクター、キャラクター、キャラクターです。


つづく

Posted by Syun Osawa at 00:25