bemod

2005年08月09日

The Record of the Record of the Time

出演:F.J.O.S.S.(クリスチャン・フェネス、スティーヴ・ジャンセン、小山田圭吾、スクーリ・スヴェリソン、坂本龍一)
場所:NTTインターコミュニケーション・センター

The Record of the Record of the Timeこの面子でチケット代1000円(1ドリンク付)というあり得ないイベント。しかも定員わずか300名。平日の10時から当日券のみの発売という過酷な条件にも関わらず、即完売。僕はチャリンコで行ける距離だから良かったけど、19時から始まるイベントに朝9時前から並んでるってのは、完全に一日仕事だと思うんで、まぁ…ご苦労様です。

さて、30分遅れて始まったこのイベント、ザックリ言ってしまうと即興音楽で1時間モノが1曲と、アンコールで1曲の合計2曲。セットは左からベース持ったスヴェリソン、真ん中にラップトップ(もちろんリンゴ)3台で、左からジャンセン、坂本、フェネス。右にシンセかミキサーの前に座った小山田という布陣(間違ってたらゴメン)。あの狭いスペースでこの5人が一列に並んで即興で音響を掻き鳴らす様は、完全に異空間です。

小山田はわりとテンポよく音を絡めながら、時おりギターを弾くという飄々とした演奏。左のスヴェリソンは終始ベースを弾きまくり。真ん中の3人は難しい顔でラップトップに向ったまま(一体、何のソフトを眺めてるんだろうか?)。この布陣から投げ掛けられる音は、まさに5人のコミュニケーションという感じ。

1時間の即興音楽のイメージは、波の音から街の雑踏、虫の声に小川のせせらぎ、遠くから聞こえる祭り囃子。サンプリングなのかシンセで作られた音なのかは不明だが、次々と変化するノイズの隙間から垣間見せる世界(現実を喚起する)の音体験は、まるで暗闇の中でフワフワと空中を浮遊しながら世界旅行をしているようだった。

アンコールの曲はノイズの竜巻という感じ。僕は相当好き。ACOWO のMiyazaki氏とノイズ談義をしたときのことを思い出しながら、ノイズの面白さを大いに堪能した。

ICCに行ったのは sounding space展 以来。何でも今、ICCは閉鎖の危機にあるそうな。今回のイベントもそうだが、ここの音響系企画展はとっても素敵なので、無くならないで欲しいもんです。現在開催中のローリング・アンダーソン『時間の記録』展の方も近々参戦予定。

Posted by Syun Osawa at 02:33