bemod

2006年01月20日

惑星大怪獣ネガドン

原作・監督・制作:粟津順/2005年/日本/アニメ

惑星大怪獣ネガドン物語の舞台は昭和100年の日本(つーことは昭和天皇は123歳かよ!)。CGの安っぽさを昭和の特撮の安っぽさに置き換えてるところに得体の知れないパワーを感じる。

博士の皺とか口の動きにいちいちリアリティがあるし、アップの多用も往年の特撮モノの効果を利用した手抜き(工夫)で上手い。カメラの水滴の効果などの小ネタもすごく効いてる。『 ファイナルファンタジー 』にかけられた膨大な予算と人員に対して、こちらの作品は一人で作ったわけだから、これも一つの進化の形と言えるのかも。

とまあ、3D方面では勉強になることばかりだが、物語の内容となると特撮オタクでも怪獣オタクでもないので、その深さには入り込めなかったりするのが残念なところ。宇宙怪獣に戦いを挑むとき、博士が一人でメカのセッティングから発進までやってたり(じゃメンテも一人か?)、無駄のない体をしたメカが宇宙怪獣を引き連れて宇宙まで飛んでいったりするところに、何やらの笑うところがあるのかもしれない。

宇宙へ飛び立つときのスピードが「第一宇宙速度」なのは、地球の周りを衛星みたいに浮遊していないと上手に闘えないからなのかな? 闘わなくても、宇宙の果てまで飛んでいけば良かったのかもと思ったり、思わなかったり。ラストの夕日の映像はかなり見応えあり。絵も相当上手ですねこの人。

エンドロールの中のスタッフにどういう人が絡んでいるのかを見ると、インディーズアニメ界の権力構造の一端が見て取れて面白い。ちなみに特技考証を担当している加藤健二郎さんは 東長崎機関 の人とは別人みたい。ちょっとビックリした。

Posted by Syun Osawa at 08:48