bemod

2006年04月20日

ガンダーラ

監督:ルネ・ラルー/1987年/フランス/アニメ

ガンダーラルネ・ラルー監督の長編作品を三本続けて見た。これがその最後。この人のテーマってわりと一貫している気がする。人間の愚かさを舞台を替えて繰り返し描いてる感じ。

基本の構図は個人主義vs全体主義。

理想の個人社会ガンダーラが生み出した奇形人間(遺伝子組み換え実権の被害者たち)の集落があったり、全体主義を標榜するメタルマンたち(敵の軍隊)を操っていたのが、かつて人間が作り出したスーパーコンピューターだったりと、社会を諷刺する視点が数多く含まれている。フランス人だからファシストに対する思が強いんだろう、と考えてしまうのはたぶん安易なんだろうな…。

キャラクターは相変わらず植物的で不気味。どのキャラクターの造形が奇抜で目立つのに、主人公像みたいなものはどこかボヤけている。それはキャラ立ちしてないという意味ではなく、アメリカ的なヒーローがいないという意味で。そのあたりにも彼の作品は一貫性がある。

今回は、セルっぽさが強くなって『 ファンタスティック・プラネット 』の時のような動く絵画としての印象は薄くなっていた。あとは短編か…。

Posted by Syun Osawa at 23:15