bemod

2006年05月02日

森は生きている

監督:イワン・イワノフ=ワノ/1956年/ソ連/アニメ

森は生きている元ネタはスラブ民話らしい。直接の原作はマルシャークの「十二月」という子供向けの戯曲。

キャラクターのほどよい等身がなかなかツボ。多重のブック(前景)だったり、ミュージカル的な演出だったり、キャラクターのデフォルメされた動きだったりは、雑に言ってしまえばディズニーの影響下。カメラを横に横にパーンさせることでスピード感を出してるのもその影響か? ただし、ラストのシーンは別。馬の疾走シーンを引いたカメラから一気に馬のドアップまでズームさせていて、その大胆なカット割りは魅力的だった。

本作品もエクレールとかいうトレースの技法を多用しているものの『 蛙になったお姫さま 』のようなトレースとも違う印象を受けた。女王の家庭教師が女王に向って暦や植物の名前などを教えるシーンなどに、画面の向こうの子どもへの教育的な配慮も見える。

何も考えずディズニーを出すのは僕がそれしか知らないからで、実際にはイワノフ=ワノが1900〜1987年で、ウォルト・ディズニーが1901年〜1966年だから影響を受けたとかは無いのかも…。

本筋とは関係ないが、4月の精がヒロインの娘に婚約指輪を送るとき、右手の薬指につけた。これって世界共通なん?? そんな社会的な常識も知らない中年男性が、子供向けのアニメにマジレスするのはさすがにキモ過ぎると自分でも思うのでこのあたりで中止。全体的に登場人物の服が可愛いです。服の情報量が多いので動かすのが大変そう。

あともう一つ気になったのは、ヒロインの継母とその娘が犬に変えられるくだりで、その効力が3年間だった。この3年という時間は『 蛙になったお姫さま 』にも出てくる。ロシアではわりとデフォなんだろうか? 少なくとも登場人物の設定によく登場する「継母」が、ソ連においてデフォであることは間違いないんだが。

Posted by Syun Osawa at 23:20