bemod

2006年07月29日

別冊宝島134 編集の学校

西岡文彦/1991年/宝島社/A5

編集の学校勉強になるかと思ってずいぶん昔に買った本。

この歳になって読む本でもなかろうと思いつつも、読んでみるとこれがなかなか素敵なことが書いてある。立花隆『青春漂流』(講談社)を先輩から貰って読んだときのような熱い何やらを思い出したりして。だから全部、うんうん…とは思うんだけどね。ただ、それが仕事にどれくらい反映されるかって言ったらそれはよくわからない。

著者は版画家としての顔も持っており、編集だけでなく美術にも詳しい。ここが僕の場合ポイントだった。文章だけ上手で、どんな媒体でも体よく原稿を整理できる人っていうわけでもないし、一つの思いを核として備えながら編集業に勤しんでいる気がしたから、たぶん最後まで読む気になったのだろう。文系職場で肩身の狭い思いをする理系腐オタとしては、そういう部分に託したい気持ちがあるのかも。

また、本の最後の方で、古い美術収集家の絵いわゆる「画廊画」を例に挙げており、そういったものが編集の側面から認められるべきだという主張は納得できる。おたく展 なんてのは完全にそれを狙っているわけだし。ただ残念なことに、おたく展に関しては「画廊画」的な側面を歪曲して受け取られているようにも思う。

Posted by Syun Osawa at 00:12