bemod

2006年08月19日

オタク・イズ・デッド

岡田斗司夫/2006年/同人誌/B5

オタク・イズ・デッドコミケ70 で購入した本。

2006年5月24日に新宿ロフトプラスワンで行われた岡田斗司夫さんのトークイベントを書籍化したもの。このイベントについては、ネット上にレポートがいくつか上がっており、それなりに議論が巻き起こっていたように記憶している。

よーするに「オタク・イズ・デッド」ではなくて「オカダ・イズ・デッド」じゃね? みたいな揶揄は本文中でも先回りして語られており、まぁ…そのままですな。実際そうなので、ネット上でこれ見よがしにこれを言うのも三村のツッコミ並にそのままって感じ。「イズ・デッド」ってのは、気持ちの悪い言い方をすれば、前衛的(というか貴族らしい)な意識を共有していたコミュニティの終焉(オタク部の解散)のことだろうと思うので、そのど真ん中にいた岡田さんが涙するのも無理はない。

彼のいたオタク部は基本的に体育会系で、有無を言わせないヒエラルキーによって成立していたのに、まっとうな一般大衆の流入によって終りにされた、みたいな感じでしょうか? 僕も何気に体育会系なので、知的な人文系ヘタレインテリ(と言うらしい)の群れよりは、そういうノリの方が好きなんですが…。

なんてことはさて置き、この手の話はオタクに限らず、大抵の事柄がこういう結末を迎えるんじゃないのかな? グランジにせよ、タトゥーにせよ、DJ Hondaのキャップにせよ、社会に受け入れられて終了っていう。美術の世界でも前に読んだ『 ギャラリーガイド 近代日本美術のあゆみ 』に似たようなことが書いてあったことを思い出した。

サブカル(=モテを意識したオタク)に続いてオタクが死んだってのは、そもそも明快なジャンルの話とかじゃないので、その点では単に世代間闘争に敗れたっていう意味だけなのかも。ま…どっちでもいいや。

Posted by Syun Osawa at 01:31