bemod

2006年08月20日

ギートステイト・ハンドブック

東浩紀、桜坂洋、新城カズマほか/2006年/同人誌/A5

ギートステイト・ハンドブックコミケ70 で購入した本。

40年後の未来社会を想像して物語を作ろうという、まっとうなSFプロジェクトのための同人誌。

シェアドワールドっぽいノリなのかな? とか思ってるんだけど、クリエイティブコモンズめいたものは見当たらないので、ハリウッドに売るための企画を公開で作っているだけの話なのかも。いずれにせよ、ライフログ、オープン教、新市民主義みたいな妄想ワードは、読んでいて楽しい。

ただし、このプロジェクトの核とも言えるゲームプレイ・ワーキングという仕事(これに参加する人をギートという)が明示されていないため、プロジェクトタイトルにもなっている「ギートステイト」(南関東州にあるらしい)を上手くイメージできない。この本に先駆けて行なわれた ラジオ でも、深いところはほとんど語られていなかったので、桜坂洋さんによる小説を待つほかないのかもしれない。

面白そうなので、僕も一つ考えてみた。

生活保護受給者の40年後

銀行口座への振込みではなく、電子マネー型ICカードで支給される。そのカードは1ヶ月単位で有効期限が設けられているため、期限が近づくと受給者はカードを更新しなければならない。本人確認のため役所に足を運び、手渡しでカードの交換(もしくはチャージ)を行なう。その際、受給額をチャージされるのと引き換えに、購買履歴などが引き抜かれる。

カードはスーパーやコンビニ、薬局など、使用できる範囲が限定されているため、基本的人権の解釈で議論が続いている。しかし世間のムード(生活保護受給者が恵まれているという風潮)に押し切られる形で制度が導入された。月額で支払うサービス・保険や高額商品を買うためには別途申請が必要。また、これに伴なう新手の詐欺行為も問題になっている。

Posted by Syun Osawa at 01:16