bemod

2006年09月03日

別冊宝島144 シナリオ入門

シド・フィールド ほか/1991年/宝島社/A5

別冊宝島 シナリオ入門シナリオのお勉強。

何でも、乙一さんはこの本を読んで『 夏と花火と私の死体 』を書いたらしい。夏の田舎町で起きた殺人事件のドキドキした展開とシド・フィールドのシナリオ制作法を頭に両方浮かべながら読み終えた。プロットカードを使ったりするところが、以前読んだ大塚英志さんの『キャラクター小説の作り方』(講談社)ともちょっと似てる感じ。

自分の書くシナリオがあまりにショボいため、そこを改善しようとハウツー本を買い漁った時期があった。読みもしないのに買うものだから、数だけがどんどん増えていき、放置されていた。この本もそんな積読本群の中から引っ張り出してきたものの一つ。他にもいろいろあるので、今後ちょっと固め読みしたい。

シナリオ制作法の部分は勉強になるところも多く、それ自体は実際にやってみないことには感想の一つもかけないのでスルー。読み物として面白かったのは、付録的についていた日本の現役シナリオライターへのアンケート。なんと年収まで答えさせる項目があり、律儀にみなさん答えてて驚いた。高いといえば高いし、安いといえば安い。

中でもアニメのシナリオを数多く手掛けた藤川桂介さんが、シナリオライターの一人として寄稿されていたのが嬉しかった。うがった感じとか、メタっぽい批評家的な視点とかじゃなくて、まっすぐに熱い文章を書かれていて心に深く染み入る。

また、テレビドラマのシナリオの歴史として、70年代の山田太一&倉本聰からトレンディドラマへと続く流れは、ストーリーから設定へ重点が移る過程だということが書かれていて、なんかいろいろ納得した。

Posted by Syun Osawa at 00:31