bemod

2006年10月15日

朝日新書創刊記念トークショー「今、教養とは」

2006年10月9日/丸ビルホール

朝日新書創刊記念トークショーイベントのタイトルが凄いのでちょっとビビるも、出演者が豪華なので聞きに行った。お目当てだったのは姜尚中さん、齋藤孝さん、保阪正康さん、星浩さんによるトークショー。みんなトークがべらぼうに上手い。三者三様のトーク術を持っていて、かなり感心させられた。

千住博さんのスペインのアルタミラ洞窟に描かれた野牛の話も面白かった。氷河期の当時、野牛がいるはずもなく、想像で描かれていたらしいことや平面に描かれたものはほとんどないことなど、社会で習った知識以上に深みのある人の思いがそこにあった事に嬉しくなった。

ただ気になった点が一つあった。最後の方で「芸術とはイマジネーションのコミュニケーションである」と述べ、続いて「芸術とは平和のことだ」と言われた。前者は支持するが、後者については補足する必要があると思う。僕ならば後半をこう言い換えたい。

「芸術とは平和を求める闘争である。」

コミュニケーションが円滑な状態を僕は平和な状態であると考える。そして、それを求めるものが芸術であると考える。なぜならば、戦争とは平和を求めて行なわれるものだと考えており、文学者を含む芸術家が政治にコミットしたとき、より過激な方針をとると考えるからである。よく芸術家が政治家になることを平和を導く先導者であるかのごとく言う人があるが、そんなことは決してないのだ。この点については右翼も左翼も関係がない。こうした捉え方が 戦争と芸術 を考える上での一つの指針でもあるのだが、この先、こうした思いがどう変化するかはわからない。

Posted by Syun Osawa at 00:12