bemod

2006年11月18日

はだしのゲン

監督:真崎守/1983年/日本/アニメ

はだしのゲンなんか凹んだなぁ…。

漫画『はだしのゲン』を読んだのも、おそらくこの映画を最初に見たのも小学生のときだった。それ以来の中沢啓治体験。いずれは漫画も含めて多くを読み返さないとなぁ…と思っていて、そのとっかかりとして見たのが今回のアニメ。漫画に登場したキャラクターのインパクトが強すぎたこともあり、妙に可愛らしいゲンと漫画のダイジェスト的なストーリーにあまり感情移入はできなかった。それでもなんか凹んだ。戦争をどう描くのかってところは本当に難しいと思う。

ビジュアル的な部分ではいろいろとひっかかりも多かった。例えば美術監督は男鹿和雄が担当されている。そのような目で見ると、冒頭の麦畑のシーンはたしかに『おもいでぽろぽろ』のベニバナ畑の前哨戦といった雰囲気がある。

また、画面を大きく動かすアニメーションも多用されており、アクションシーンも多かった。特に原爆が落ちた瞬間の爆発の描き方はいわゆる『AKIRA』風に爆発そのものを描くのではなく、ここの人間が原爆によって溶けていく姿を描くことで表現していた。文字テロップの入れ方は広島ヤクザ映画みたいだった。

制作協力にはマッドハウス。教育アニメだと思っていたので、オール中国体制なのかと思っていたら、背景も含めてグルングルン回っていて、カメラのズームイン・アウトを多用していたりと、映像的には面白いところが多かった。ただし、それが映画のテーマと相関関係を持ってい方というとそこはちょっと微妙かもしれない。その点を含めると『火垂るの墓』はやはり強い映画だなぁと実感してしまう。中沢漫画も読まなきゃなぁ…。テンション高くないと読む自信がないけど。

(関連)戦争と芸術

Posted by Syun Osawa at 00:06