bemod

2006年11月22日

ヤバいぜっ! デジタル日本

高城剛/2006年/集英社/新書

ヤバいぜっ! デジタル日本「胡散臭い肩書きを持つ男」の代名詞といえば、僕の中では高城剛が最初に頭に浮かぶ。彼が『TVブロス』に連載していた頃は、誌上で連呼される「デジタル」という言葉に信憑性を感じられなかったはずなのに、この新書にはなぜか納得するところが多かった。

というのも、ネット(特にデジタルコンテンツ)の現状をわりと正確に俯瞰して眺めていると思えたからだ。日本のアニメを過大評価したために、その外側にある映画産業の覇権を他のアジア諸国に奪われてしまった話など納得する部分が多いのだ。

ネットには情報が多すぎる。はてなのRSSを使い始めて3ヶ月。気がつけば登録数が500を超えていた。更新チェック機能を搭載した2ちゃんブラウザでスレッドをチェックしているが、こうした行為も含めて僕は完全な情報デブである。高城さんのいうとおりこれはたしかにヤバい。

彼が中核に据えているものは「コミュニケーション」である。

デジタルコンテンツもコミュニケーションツールだという考え方が前提にあり、その対象を世界に広げるために英語を身に付けろという。これは次に読んだ村上隆『 芸術起業論 』でも似たようなことが書かれていた。

本書を「日本文化を国際化することで生まれる競争への心構え」として捉えると、スッキリと腹の中に落ちてきた。だからどうだ…ということもないが。とにかく最近、嫌いな英語を勉強しようかなという気持ちになりつつある。

Posted by Syun Osawa at 00:10