bemod

2007年06月20日

忘れてしまった高校の数学を復習する本

柳谷晃/2002年/中経出版/四六判

忘れてしまった高校の数学を復習する本タイトルどおり社会人が高校数学を思い出すために読む本。

この手の本が数年前に流行りだし、このところは落ち着いてきた。思ったより売れないから撤退したという出版社もあるくらいだが、この本はシリーズで順調に増刷を重ねているようだ。

内容はというと、これがなかなかわかりやすい。いや、正確にはわかった気になれる。

僕がこの手の本に興味を持っているのはまさにこの点にある。『 マンガでわかる 微分・積分 』などもそうだが、この本を読んだくらいで大学受験の二次試験にのぞめるなら苦労はない。おそらくセンター試験でも難しいだろう(当たり前か)。

科学系の本でも似たようなシリーズがあって、「相対性理論」に関する本は硬軟含めてたくさん出ている。難しいはずなのに、新書や図解本を読むと何となくわかった気になる。しかしそれは、真の意味で相対性理論を理解したわけではないのだ(こちらも当たり前)。

繰り返すが、この本は「わかった気にさせる」技術に長けている。難しい専門書を読んで数ページで挫折するくらいなら、サラッと読み通して何となくわかった気にさせておき、その勢いに乗せて次のステップへ進むというのは悪くない。普通の教材だと一つの教材でそれをやるのが常套手段であるが、余裕があるならこの手の本を何層にも読んで、頭の中にミルフィーユ状に積み上げていく方が足腰も強くなるのではないかと思っている。大人だからなせる業だ。

Posted by Syun Osawa at 23:52