2007年07月14日
数学の歴史
森毅/1988年/講談社/文庫
難しかった…。
この本を読む前に、数学の歴史の本を読むべきだった。『 数の歴史 』のような手取り足取り本を期待していた自分が甘かった。やや玄人向けだったので、ある程度知識がないと彼独特のユーモアにも反応できない。それがちょっとくやしい。
できすぎた逸話に軽く突っ込みを入れながら、それぞれの時代の数学者たちが問題としたことを現代的解釈で優雅につむいでいく。また、章がすべて「いかなる時代が、新しい数学にふさわしかったか」というような問いの形式になっているのも著者もまた数学者であることを示している。いずれにせよ、僕には少しハードルが高かったので、もう少し知識を蓄えてから読まないと彼のユーモアをすべて楽しむことは難しいようだ。
受験数学みたいなものに関わっていると、自分が去勢された馬のように感じることがある。この本はそうした窮屈さを少しだけ開放してくれた。森毅さんの本はあと2冊読む予定。
Posted by Syun Osawa at 23:27