bemod

2007年08月15日

科学と非科学の間で

安斎育郎/2002年/筑摩書房/文庫

科学と非科学の間ニセ科学批判の本は以前から結構な数の本が出版されているらしい。

この本もそういった類の一つだろう。マイナスイオンのような「科学を装ったニセの何か」を扱うだけでなく、オカルト的なものや占い、超能力にまで手を伸ばしている(そっちがメインといった方がいいか)。ニセ科学の知識を深めるためのガイドとしては役になったが、こっくりさんあたりはいいんではないかとも思う。

あと、最初にかもがわ出版から出版されたこともあって、左翼っぽい言動が目立つ。ニセ科学フォーラム のとき、会場からの意見として「左翼的なイデオロギーを前面に出すべきではない」というような指摘があったが、意外にこのあたりに拒否反応を示してしまう人もいるのかも。

唯心論者には唯心論を持ってあたるというのは同意。心でっかちな日本人は心の問題を軽視する人を嫌う傾向があるように思うから。これについては、唯物的な考え方そのものが嫌われているというよりも、指摘する人が心を軽視していると感じていることに対して拒否反応を起こしているのではないかと思うので、実践的に対処する場合はそこらを慎重に取り扱う必要があるかもしれない。

Posted by Syun Osawa at 00:15