2007年10月11日
カリスマ先生の図形数学
山本俊郎/2005年/PHP研究所/四六
これはいい。ホントいい。
中学生のうちにこの本をマスターしておけば、高校入試なんて余裕でクリアできてしまう。出題されている問題は少しハードル高めだが、そのハードルを飛び越えるための解説が上手い。図形数学なんてパズルみたいなもんだし、ぶちゃけいかに解法への道に気付けるかが勝負の鍵を握る。
この本はその気付きの手がかりをつくるためのポイントをおさえているし、そこから答えを導くための方法をアイテムとしてわかりやすく整理している。うーむ。さすがはカリスマ予備校講師。
『 カリスマ先生の数学 ― 7日間で基礎から学びなおす 』はやり直し本の王道といった内容で、なおかつキャラクターを多く登場させて楽しませる雰囲気が強かった。今回はもう少し教材としての要素が強くなっていて、図形問題をガチで解説している。平面図形の問題だけで一冊を割いていることもあり、内容もかなり充実。高校入試を控える中学生が読めばそれなりに効果があるのではないかとも思う。ただし、余裕のあるときにね(夏休みとか)。
導入部分で数学者の生い立ちを簡単に紹介しているのもよい。
数学の教科書には数学者の半生などほとんど記されないが、ピタゴラスがどういう人物であったかといったことも、数学を学ぶ上で実は大事な要素ではないかと思っている。歴史の要素は社会にだけあればいいのではない。教科分けに関係なく、学校で習っているものなどはすべて歴史なのだから、この本のあり方は結構正しいように思った。
Posted by Syun Osawa at 00:11