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2008年09月23日

灘中の数学学習法

庄義和、幸田芳則/2002年/日本放送出版協会/新書

灘中の数学学習法灘では中学の学習内容を中学1年ですべて終えてしまうらしい。ということは、中学2年で高校の内容を終えるのかというとそうではなく、中学2年から高校2年までの4年間をかけて高校の内容を学習するのだそうだ。そして高校3年は大学受験対策にあてる。

普通の公立高校だったら、高校の3年間で高校の内容と大学入試対策をやるわけだから、この時点で学習進度が決定的に違う。もともと優秀な人間が集まっている上に、学習方法が大学受験に適しているので、そら勝ち目ないわな。逆に言うと、うちみたいな普通の公立高校から京大行った友人たちって、マジすげーってことにもなるわけだけど…。

この本の中で一番感心した点は、一つの問題を様々な解法で解かせているところだ。このことを筆者は「複眼的思考力」と読んでいる。複眼的思考力を身につけることで、問題を解決する能力は格段に増すはずで、その結果一つのパターン化された解法の丸暗記とは違う、本来の意味での問題を自らの力で解く能力が育つのだろう。

この本は、授業でよく使われる参考書と問題集が紹介されていたり、中学1年生から3年生までの定期テストの実際の問題が掲載されているなど、灘中の実態を少しばかり知りたい人には丁度よい内容だった。

ところで、灘中・高校を卒業した精神科医の和田秀樹氏は『 数学は暗記だ 』などという、この本とは反対の学習方法を提案していたりするのだが、果たしてどっちが真実なのだろう? 結局頭のいい人にとってはどんな学習方法だろうと伸びていくんだろうけどね。

Posted by Syun Osawa at 01:34