bemod

2008年10月08日

水戦争

柴田 明夫/2007年/角川SSコミュニケーションズ/新書

水戦争図解雑学 環境問題 』に続いて、環境問題(というかエネルギー問題)について知識を増やすために読んだ。

水問題もヤバい。いやいや、この手の「ヤバいぞ」感って、かつてノストラダムスの大予言が流行していた頃からあったといえばあった。アメリカがトウモロコシを燃料に使用し始めたことで野菜の値段が一気に上がったり、投機の絡みで石油の値段が上がったりしたために「ヤバいぞ」感に拍車がかかったように見えるが、実際のところ生活に大きな変化はない。もちろん様々な材料費が上がっているので、深刻な問題はこれから起きるのかもしれないが、ともかく今のところ生活レベルが激変するところにまでは至っていない。

今後深刻化するであろうガソリンなどの値上がり問題については、そもそもエネルギーの消費量を抑えるもっとも有効な方法が値上げなので、悲しいかな必然なのだ。ガソリンなんて1リットルあたり300円くらいにしたら車に乗る人は一気に減るだろうし、経済活動も停滞する。それは日本にとっては不都合なことだけど、エネルギーの消費は確実に抑えられる(もちろんそれを肯定しませんが)。そして、僕が一番気にしているのは、値上げによって生活に大きな支障が出始めたとき、真っ先に苦しめられるであろう低所得者(もちろん僕も含まれるわけだが)へのセーフティーネットの構築についてである。

エネルギー問題と同じくらい重要な問題が本書の確信である水問題だ。そして、日本は新鮮な水の宝庫である。この水を使って、大陸向けの水商売を積極的にやっていくことは日本が生き残る上でも重要な戦略である。温暖化が進行すれば、日本は熱帯化して作物がよく育つだろうと思うし、食料自給率も上がるかもしれない。水環境と食料の確保について、見通しのいい未来予想図ってのは行く通りも描かれるべきなのだろう。

僕はこの本を読んで、水道の水を飲むようになった。ミネラルウォーターの料金は水道料金の2000倍だそうなので、バカらしくなったからだ。しかも、外国産のミネラルウォーターはいろいろ悪い影響も出る可能性があるので、安全面でも水道水のほうが上なのだ。

Posted by Syun Osawa at 01:31