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2008年10月21日

ひぐらしのなく頃に(全26話)

監督:今千秋/2006年/日本/アニメ

ひぐらしのなく頃に(全26話)世界観開陳系のアニメは苦手だったはなのに、こうも開き直ってミステリー仕立てにやられると、これはこれでありかなと思ってしまった。

絵柄もどちらかと言えば苦手なほうだし、各編の最初に描かれる何気ない日常の美少女たちの漫才も得意じゃない。だから最初見始めたときは、その萌え萌えぶりにちょっと焦った。

結果的に僕はこの作品にヤラれた。連続モノのアニメでは『 かみちゅ! 』以来かもしれない。萌えアニメだからと軽く見ていたことが感情の起伏をより大きくしてくれたこともあって、毎日2本のペースで見るほどに僕はこの作品にハマってしまった。予備知識がなかったのも功を奏したかもしれない。

話はとにかく強引。強引&怒号のオンパレード。美少女キャラたちの唐突なシリアスな話し方も過剰だった分だけ楽しめたような気がする。やっぱりアニメってこういう過剰さが必要だよな。うんうん。

以下、感想メモ。

第01話 ハジマリ(鬼隠し編 其の壱)

萌え絵は気にならない。ギャグが多め。主人公が山村の学校で美少女に囲まれながら送る恋愛ドラマだったらどうしようと思っていたら、最後に一気にシリアスな方向に持っていかれた。

第02話 隠しごと(鬼隠し編 其の弐)

ミステリーは強い。しかもホラーも強い。がっちり伝奇のムーブメントにも乗っているし、結局はこういうど真ん中のストレートは見ていても安心感がある。竜宮レナが前原圭一と刑事が会っていたことを追求したあたりからストーリーに加速度がついた。うんうん、いい感じ。

第03話 疑心(鬼隠し編 其の参)

学校で一緒に遊んでいた女の子が全員、連続怪奇殺人事件に関わりがあるという事実が明かされる。主人公自身の命が狙われていることもわかり、加速度は更に増した。少女たちの声のトーンがギャグのとき(日常会話のとき)とシリアスに語るときであまりに変わるので、そのあたりにも何かあるのかもしれない。今はわからない。たんなる演出かもしれない。

第04話 歪(鬼隠し編 其の四)

凄い。4話目で主人公が死んだw しかも、主人公が発狂して死んだよ。時計の裏にメモを貼り付けているところと、その場所に何度か他にも貼り付けられた痕跡があるところがまさにゲーム的なシナリオ。つーか、『ひぐらし』って本当に述べるゲームそのままの展開でいくのね。この回がこの作品の運命を決定付けたね。これは楽しみだ。

第05話 嫉妬(綿流し編 其の壱)

1話と同じ展開に戻る。この点について、編が変わること意外に何も説明されないけど、ヴィジュアルノベル系のゲームとかやったことない人はこういう感覚ってすんなり飲み込めるものなんだろうか? 今回は園崎魅音の双子の妹である園崎詩音が新キャラとして登場して物語を引っ張るようだ。あと、綿流しの日に1回目には明らかにされなかった女性の名前が判明。このあたりで1回目とは異なる話に引っ張られていることがわかると同時に、雛見沢村とオヤシロさまの関係がほんの少しだがわかり始める。

第06話 タカノ(綿流し編 其の弐)

2回目のターンは結構長めに萌え重視の展開が続く。また、綿流しの日にカメラマン、タカノ、園崎詩音と前原圭一が祭具殿に入るという新しい展開を見せる。このあたりのミステリーの展開の仕方と、伝奇的なアプローチは過去にプレイした『痕』によく似てる。カメラマンとタカノは死亡。刑事も登場し、不穏な展開に。今回のターンは1回目とは異なり二人が死亡。過去の事件にならえば、あと二人の失踪者が出る可能性があると園崎詩音より知らされる。恵一発狂。こいつすぐ発狂するなw

第07話 嘘(綿流し編 其の参)

北条沙都子と古手梨花が死んだ。1回目のターンではあの部活の女の子は全員グルだというイメージだったのでちょっと意外な感じ。それぞれの女の子の思惑が結構違っていることもわかった。園崎魅音が大ボスであること、そお怒りから古手梨花は前原圭一を救おうとしたが結果殺されてしまった。園崎詩音も姉に殺されてしまう。長年付き合っている人たちが何でこう性急に憎しみあったり殺しあったりするかな…とかも思わないではないが、そこはまぁアニメだからってことなんだろう。

第08話 願い(綿流し編 其の四)

数々の事件の中心人物が園崎魅音と判明。園崎家の地下から拷問部屋と廊下が見つかった。クラスメイトの北条沙都子と古手梨花も園崎魅音が殺したらしい。正確には園崎魅音に宿った鬼か。何だかんだで祭具殿に忍び込んだ園崎詩音と前原圭一は助かったと思ったら、その後園崎詩音は怪死。前原圭一も最後に鬼に取り付かれ死亡? …かどうかはわからないが、ともかくバッドエンド。最後に4人が祭具殿に入ったとき、タカノはすでに死んでいたことも明らかに。謎が謎を読んでいるが、事件の大枠は意外とあっさり明らかになった? もしくは、まだ先があるのだろうか?

第09話 兄(祟殺し編 其の壱)

3回目のターンに突入。ようやくこのアニメの楽しみ方がわかってきた。昔のやるドラとかもこういう風に見るとよかったのかな? ゲーム的というのがあまりにも当てはまりすぎるな。2回目のターンでは竜宮レナが大人しく、どちらかというと鬼と化した園崎魅音から前原圭一を救う立場に立っていたが、今回はレナがメインっぽい流れになってる。1回目の最後で園崎魅音と竜宮レナが「監督さんが来る」って言ってたけど、あの監督ってこの回に登場した医者なのだろうか?

第10話 キズナ(祟殺し編 其の弐)

3回目の前原圭一は雛見沢村の住人よりの位置にいる。そして、オヤシロさまの祟りに園崎魅音が関わっていることも薄々感づいている。そのため刑事とは少し敵対関係。メインは北条沙都子で、児童虐待を受けている。このあたりの人間関係の変化は、1回目、2回目とは大きく異なるので3度目のループといえども飽きさせないが、事件の全貌が園崎魅音関連のところで終わっているのなら、個人的には少し気持ちがトーンダウンしてしまうかも。今のところはまだ大丈夫。

第11話 境界(祟殺し編 其の参)

主人公自らオヤシロさまの祟りを利用して、沙都子のおじを撲殺。そのあたりで、兄の悟史も圭一と同じように沙都子の親を殺していたことが明らかになった。おじ殺しの後、雨の中を歩く圭一に声をかけたのはタカノだった。彼女は圭一が沙都子のおじを殺したことを知っていた。なかなか怒号の展開。

第12話 失しモノ(祟殺し編 其の四)

主人公である圭一自ら沙都子のおじを殺したはずなのにその死体はなくなっていた。それだけでなく、圭一は綿流しの祭りに出ているとまわりのみんなは言う。一連の事件の黒幕と思われる監督(医者)に、おじ殺しを打ち明けたにもかかわらず監督は彼を精神異常者だと決め込んだ。タカノは焼死体で発見された。謎が謎を呼び収集不可能なくらいに広がっている。大丈夫か?

第13話 謝罪(祟殺し編 其の伍)

登場人物みんな気が狂ってるんだね。しかも簡単に発狂するし。結局謎は解決しなかったが、前原圭一の夢オチという感じで終わった。しかも、夢の終わりが一番の悪夢という壮絶バッドエンド。この物語はどこへ向かって走っているのか、ぶっちゃけよくわからなくなってきた。ところで、沙都子が祭具殿に落ちたところと、圭一が沙都子に吊り橋から落とされるところはどう考えても無理があるな…。

第14話 ヒナミザワ(暇潰し編 其の壱)

番外編っぽい? 赤坂という刑事が、ダム建設を推し進める大臣の孫誘拐事件について極秘操作のために雛見沢村へ。園崎家が中心になってダム建設に反対している。いつの間にか、自分の視点が刑事側ではなく園崎側に移っていることに気づく。ひぐらしの世界観がだいぶ深まってきた。それぞれの謎に関しては完全放置で行くんだろうかね…。毎回ループのたびに殺され方とかも違うから、そのへんは深く追求しないのかもね。

第15話 兆し(暇潰し編 其の弐)

古手梨花の超一人語りでかなりの部分が明らかになった。死ぬ人間が決まっていること。そして、そこに自分自身も含まれていること。そして、それとは別に雛見沢村で大災害が起きることもわかる。つまり、前原圭一だけが生き残ったというのは、夢オチではなく事実だった。ゲームならこの流れだけがトゥルーエンドへの道なのだが、果たしてどうなんだろう? たしかにこれは、わかる人にはわかるという限定ながら、完全にゲーム的だ物語だと思う。

第16話 謝罪(目明し編 其の壱)

新章突入。今回は園崎詩音と園崎魅音の双子が話の中心。前原圭一が転校してくるより前の話で、悟史が初めて登場する。園崎詩音と園崎魅音は立場が違うだけでなく、性格的なところもこれまでの話とは逆のような印象を受ける。世界設定開陳に加速が付き始めた感じ。

第17話 ケジメ(目明し編 其の弐)

悟史がおばを殺害。これはこれまでの話ですでにわかっている。その後、詩音が悟史をかばって、警察に任意同行される。それが本家に知られ、例の拷問部屋で爪をはがれる。詩音と魅音の関係が微妙だったのはこのことがきっかけなのだとわかった。結局、この後に悟史は失踪。

第18話 鬼の血脈(目明し編 其の参)

前原圭一が登場した回につながる。この回はこれまでの流れを接続する回だったので、ミステリーとしてはそれほど目新しいことには出会わなかった。ゲーム的アニメの最大の魅力は、出会い方など細部に整合性をとらなくていいことだろうな。実際のゲームでも、2回目のターンでは出会い方や相手の態度なども微妙に変わっていく。そのことを矛盾として捨てないで、物語の中に引き入れたのは大きいのかなと思う。いずれにせよ面白い。

第19話 仕返し(目明し編 其の四)

2回目のターンの裏側が明らかになった。園崎詩音と園崎魅音は途中で入れ替わっていたのだ。園崎詩音は悟史失踪の謎を追うためにギリギリの選択をしている。しかし、それでも謎はまだ明らかになっていない。鬼対鬼の対決みたいでかなり面白い展開だった。ただ、園崎詩音と園崎魅音が完全に瓜二つってことはあり得るのか? そこはアニメだからいいのかなw

第20話 冷たい手(目明し編 其の伍)

前原圭一が転校してきた後に起きた怪死事件の大部分が、園崎詩音によるものだということが明らかになった。複数のループの間に起きた怪死につながるような部分も混ざっている。しかし、わかっているのは園崎詩音が狂っているということだけで、これまでに起きた事件の謎は明らかになっていない。

第21話 断罪(目明し編 其の六)

園崎詩音狂いすぎ。愛憎とか越えていて、前半のミステリーをひとまとめに解決させるために狂っているとしか思えない。今回、前半の謎が大体明らかになって、自分の中でどういう思いが胸に去来するのかって楽しみにしていたんだけど、意外とあっさり受け止めた。なるほど…って。たぶん、園崎詩音の狂い方にちょっと引いちゃったんだと思う。悟史の謎は今も明らかになってない。

第22話 幸せ(罪滅し編 其の壱)

最後は竜宮レナのターンか。冒頭の幸せな日常シーンは今回が一番強め。ところが、竜宮レナの父親が古典的な美人局にあっている。登場人物全員がトラウマキッズというのは1995年以降のデフォルトなのかね。

第23話 還る処(罪滅し編 其の弐)

竜宮レナが美人局の二人を殺害。圭一らはその事実を知るが、みんなで隠すことにした。その後、綿流しの祭の日がやってくる。これまでとは違った展開。最後に刑事が登場する。前回までのターンでは圭一と刑事は良好な関係にあったが、今回は敵同士ということになる。

第24話 34号文書(罪滅し編 其の参)

オヤシロさま伝説の謎はタカノさんが知っていた。そしてそれは、園崎家の話よりもっと大きなところに接続していた。いいね、この風呂敷の広げ方。どんどん話がでかくなっていくのは純粋に物語として楽しい。オヤシロさまが異国の医者か何かで、伝染病と狂信者がそこに絡んでいる。その宗教を守る人がいる。竜宮レナが名探偵役を担っているけど、この人ちょっと前に人を二人殺してなかったっけ。頭冴えてるなw

第25話 地球侵略(罪滅し編 其の四)

広げた風呂敷が上手く包みなおせなくなってるw そういうのもアリかなと。1回目のループでレナと魅音が圭一に注射しようとしていたのは、彼を救おうとしていたということらしい。その記憶は今も残っていて、この世界は本当にループしていることが明らかになる。話が目まぐるしく入れ替わる。どう終わるんだろうか?

第26話 リテイク(罪滅し編 其の伍)

ようするに、バイオハザード+エヴァンゲリオン+ビューティフルドリーマーって感じかな? 最後の戦闘シーンは妙に演出に気合入ってたなw しかも女子に負けるなよ…。最後は何となくハッピーエンドになったように思えたけど、最後にまた6月がループしていることが示される。そしてその事実を古手梨花は気づいている。おそらく前原圭一も。いろいろな謎は明らかにはされなかった。タカノが知っていたという証拠もレナの狂言なのか、本当のことなのかもぼやかされたまま。謎解き(世界観開陳)を楽しんでいる人に、それをやらずに少しズラしたところで終わりにするという手法は今っぽいんだろうけど、個人的にはあまり好きではない。「解」のほうでそれらは解決するのだろうかね?

Posted by Syun Osawa at 00:01