bemod

2008年10月29日

マンガ 物理につよくなる

原作:関口知彦/作画:鈴木みそ/2008年/講談社/新書

マンガ物理につよくなるうーん…。難しい。

物理の内容じゃなくてね、この漫画の捉え方がよくわからなくて難しかった。前作の『 マンガ 化学式に強くなる 』はモルという概念を教えるためだけにすべての章を費やしていたので、比較的漫画の要素を強く入れつつも、教材としての側面も強く持っていた。

ところが今回は教材としての側面はきわめて薄い。入門書でもなく導入本でもない。いや、導入本なのかもしれないが、それだったら本書で扱われた内容があまりに限定されているのではないかと思う。導入として仕立てるのなら単純に物理現象の面白さを伝えればいいわけだし…。

では誰のために書かれているのか?

この本は物理に対してアレルギーもなく、まさに白紙の状態の人へ向けて書かれているのだろう。しかも、物理が苦手な人が主なターゲットになっていることは間違いない。理科に対する苦手意識を和らげて、理科嫌いな人にならないための啓蒙活動をしているのだ。そう考えると、これは導入のための導入本と言えるかもしれない。そのわりに、後半ではいきなり慣性の法則の応用をやったりしてハードルをグッと上げてるのはなぜなんだろうか…。

ストーリーの骨格について。テストでいい点を取るために物理の公式を暗記するようにすすめる女の子を否定し、じっくりと自然現象を解き明かした数式の意味を考えることで、その本質を知ることをすすめる女の子の立場を肯定することに異論はない。

ただ、野球部のバッテリー二人は、そもそも物理が好きになる必要があるのだろうか? テストでいい点を取るために仕方なく物理の勉強を始めた二人が、高校の物理の導入の導入の部分を学んだだけで好きになった気になって終わったところが気になった。ようするに、物理の勉強をやる気になった気になったところで終わったのだ。

うーん。僕にはわからない。

Posted by Syun Osawa at 01:36