bemod

2009年01月30日

茄子 スーツケースの渡り鳥

監督:/2007年/日本/アニメ

茄子 スーツケースの渡り鳥この作品に続編がつくられるとは思っても見なかった。前作はそれなりに好評だったのかな?

本作は前作『 茄子 アンダルシアの夏 』とは趣が異なっていて、ほとんどがレース場面。アクションシーンが好きな僕には、見所の多い熱い内容だった。特にジブリと関わりの深い高坂希太郎(監督)と吉田健一(作画監督)のコンビということもあって、「宮崎駿イズムをいかにして克服するか?」というような情熱が見え隠れしていた。そして、僕にはそこが凄く素晴らしく映ったのだ。

細かな人間の動き(汗の拭き出し方とか、動き出す瞬間の体を膨らます演出など)に古き良きアニメーションを継承しつつも、それを超えた過剰な演出(ザンコーニの走りなど)に制作者の夢みたいなものを感じた。何と言うか、滅び行く2Dアニメのマンネリズムの奥に見る希望みたいな…。あと、難しい自転車の動きを3Dの背景を回すことで上手に処理しており、しかもスピード感を殺していないのも凄かった。

ドラマ部分に目をやると、主人公達のチームはベルギーのチームなのに、通訳なしで会話をさせるなど、細かいところは全部とっぱらって、面白さだけを追求している。主人公に対抗するライバル、死んだ過去のヒーロー、ヒロインも一応登場するが、主人公達との関わりが薄かったために、ドラマとしては深みを持つまでには至らなかった点は少し残念だった。この作品に関しては、そういうのはどうでもいいのかもね。

ともかく、1時間弱という短い時間にここまでアクションシーンを詰め込んだのは凄いの一言に尽きる。アニメーション制作に関して、マッドハウスはいい仕事しますなw

Posted by Syun Osawa at 01:39