bemod

2009年02月28日

ヘルズエンジェルス

監督:山川吉樹/2009年/日本/アニメ

ヘルズエンジェルスうーん。相変わらずマッドハウスは不思議な会社だと思う。正確にはプロデューサー・丸山正雄の方針が、かなり独自の路線をいってるんだろうけど…。

だって、この作品をピッタリ2時間で作っちゃうんだから凄い。どう考えても1時間のOVAじゃね? とか書くと、失礼すぎるのでそうは書きませんが、後半はかなり宗教じみたループだった。

悪く言ってしまえば、セカイ系の変奏といった内容。「夢はかなう、絶対」「だからあきらめないで、絶対」という主張と「幸せって近くにあるよね」「人を愛することって大事だよね」といった素朴な幸福感、そして「私は私だよ」という実存の問題という、あまりにも普通の結論(そして正論)を過剰な演出の元で展開していた。

この作品には現実→地獄→消滅という3つの世界がある。そして物語の大部分は地獄で展開される。僕の思い描く地獄というのは、苦しみ続けて、しかし死ねないという恐ろしいループなのだが、この作品の地獄には消滅という概念がある。つまり、「死=地獄行き」ではなく「消滅=死」なのだ。よって、地獄はまさに中二病的な場所として展開されている。

そういった舞台設定にメタ的な何かがあったのかもしれないが、僕にはそんなことはわからない。僕は地獄で『少林サッカー』みたいなバレーボールをする作品だと思って観ていたので、そういう展開が最初の30分で終わって以降というのは正直どのように楽しんでいいかわからなかった。

とはいえ、ビル・プリンプトン『 スーパー変態ハネムーン 』のような荒っぽい作画だったり、キャラクター達の演繹的な動きはとても気に入っている。

Posted by Syun Osawa at 09:03