bemod

2009年05月01日

金融商品にだまされるな!

吉本佳生/2007年/ダイヤモンド社/四六

金融商品にだまされるな!スタバではグランデを買え! 』がなかなか面白かったので、吉本氏の本をもう一冊読んでみることにした。金融広告から読み取れる証券会社や銀行のまやかしについて丁寧に解説されており、前回同様にこれまた勉強になった。

ようするに、仕組債とかリンク債のような、金融機関が商品に仕立て上げたものには、損するものが多いよという話。たとえば、投資信託だったり、債券だったり何でもいいが、どんな投資をするにしてもリスクは必ず存在する。そして大きなリターンを得ようと思えばリスクも高くなる。これは仕方ない。ただ、この本で扱われているような商品は、安全な運用や高い配当が得られるように見せかけて、実際にはとらなくてもいいリスクを顧客に押し付けているのが特徴である。

金融リテラシーはまさにこういうことにこそ発揮しないとね。

僕の場合は投資信託か外貨MMF&円建てMMF、もしくはETFだけなので、この手の金融商品を買うことはないと思うが、マネックスで売られていたNZ債券は結構迷った。この本で指摘されているように、オプション(早期償還の権利など)を顧客か金融機関のどちらが握っているかであったり、外貨運用の場合は為替差損とか為替手数料、日本と海外のインフレ率などをどう予測するか(外国の債券がいくら金利が高くても、長期で保有すると円高で相殺されてしまったりするからだ)など、素人が本を数冊読んだだけの知識ではどうにも判断ができないのだ。だから、オプション取引や先物取引になると、もはや素人が気軽にやる範疇を超えてしまう。

金融リテラシーについて考えると、やっぱり僕は少し性善説の立場に立ってものを見ていたんだなと思う。それなりに名の知れた会社が、顧客にとって少し得する商品と、少し損する商品を並べて売ることはないだろうと勝手に決めつけていたからだ。

冷静に考えてみれば当然なのだ。証券会社や銀行は自分達が儲かるように金融商品をつくっている。スーパーでも安い目玉商品で客を釣って、他の割高な商品も同時に購入させるように、証券会社や銀行も同じような顧客心理を利用して商品を売っているわけだ。

お金にまつわる世界は恐ろしいことがいっぱいだけど、その反面刺激的でもある。元本保証の金融商品がインフレに弱いことなど、この本で仕入れた知識もいくつかあるので、独身のうちにお金と遊んでみようと思う。ちなみに、地道にお金を増やしたいならインフレに対応している変動金利型の10年物個人向け国債が一番らしい。この国債を半年毎にボーナスを突っ込んでいくような買い方をすれば、後々にはそれなりの資産が積み上がってるのかもしれない。でもそんな地味な手段じゃ、面白くも何ともないので僕はやらないが…。

Posted by Syun Osawa at 00:32