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2009年05月05日

土日でマスター ネット株のはじめ方

高作義明/2006年/新星出版社/A5

土日でマスター ネット株のはじめ方典型的な「編プロ制作」のムック本。

この手の本は未経験者に株を始めるようそそのかし、ネット証券に口座をつくらせることが目的なので、株に手を出すことによるデメリットなどはほとんど書かれていない。

ぶっちゃけネット証券に口座をつくり、結構な冊数の投資本を読んだ今、この本を読むメリットがあるのかどうかは疑わしいが、これまで読んだ本はそれほど実際の運用をテクニカルにサポートするような本ではなかったのでこの本を読むことにしたのだ。

先日、株購入のためしとしてインデックス追随型ETFとして有名な1306を購入した。そのとき僕は「成行」「指値」の違いも知らなかったのだ。これまでの本には当たり前のこと過ぎて載っていなかったからだ。この本にはそのレベルのことが書かかれている。ほかにも、特定口座の源泉徴収は複数の証券会社で取引した場合や20万以下の場合は源泉徴収なしの方がいいよとか、チャートによるベタな売りと買いのポイントなど、一番最初に知識として入れておくようなことが僕には完全に抜けていた。

本自体は明らかにデイトレーダーを狙ったような頻繁な株取引を進める方向をもっている。超導入本のこの本から読み始めていれば、僕もすっかりそそのかされていたことだろう。その点については北村慶『 貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント 』を読んでいたのでスルーできた。これまでの読書経験によって少しずつ金融に関する耐性力が身についているようだ。

僕が今年に入って投資関連の本を読み始めたのは株を始めたかったからではない。資産運用と金融リテラシーを身につけるためである。そして、資産運用は投資信託の分散投資で…と思っていたら、ETFの存在を知ってしまった。しかもETFが大流行しているらしいのだ。

ETFは株である。株であるから購入の際の株価の上がり下がりもあるし、証券会社による株の手数料も異なる。おまけに、PER、PBR、キャピタルゲイン、インカムゲイン、約定、決済日、権利確定日などいろいろな言葉を覚えなければならない。株価のチャートも見なければならないし、結果的に金融情報に絡めとられる時間が増加してしまうのだ。これは、当初の目的(ほったらかしの資産運用)から大きく逸脱してしまうことになる。これは大変にマズい。いかに自分の生活の中にこうした金融関連の時間をストレス無く入れ込むか? このへんが僕にとっては一番大きな課題になるかもしれない。

当初、1年間はバーチャル投資ゲームをやるつもりだったが、実際のお金でいきなり始めたことだけは正解だと思う。もう少し欲を言えば、あと数ヶ月早く始めて、底値で予定運用額をフルインベストしておきたかったという思いもあるが、それは欲張りすぎなのだろう。

Posted by Syun Osawa at 01:16