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2009年07月01日

投資信託にだまされるな!

竹川美奈子/2007年/ダイヤモンド社/四六

投資信託にだまされるな!似たような本をすでに何冊も読んでしまっているために、既視感が強かった。初めて投資信託に関する啓発本を読む人なら投資信託の問題点を総ざらいしているので、結構いい本なのだと思う。早い話が手数料の安い指数連動型(パッシブ型)の投資信託を買いましょうというだけの内容だ。

他の本と少し違っていたのは、ゼロクーポン債をすすめていたところか。吉本佳生『 金融商品にだまされるな! 』では商品によっては際どいものもあるように書かれてあったような気がする。まぁ…僕は買わないんでいいけど。リンク債などの仕組み債もそうだが、複雑な金融商品は顧客に利益をもたらそうとしているというよりは、顧客の目をくらましているとしか思えないからあまり好きじゃない。

この手の本を読むとき、僕は著者が実際にどういう買い方をしているのかということにだけ注目している。金融のプロであってもこれが結構違うのだ。竹内氏はパッシブ方の投資信託をメインにした分散投資をしているものの、その配分は日本株式がかなり高い。そして、中国株などの新興株や個別銘柄の株も買っているようだ。さらにFXもやっている。本当に投資信託だけで運用するのが最適解なら、新興株など買う必要はない。でもそれを買うってことは、それなりのリターンをとろうと考えているからだ。

僕自身、投資を始めて2ヶ月が経過し、現実の値動きを見るにつれ考え方は少し変わってきた。分散投資のバランスよりも何よりも、リターンの取れるときに確実にとることがとても大事だということに気づいたのだ。だから、最初は自分の資産を少しずつ分散的に投資することを考えたが、今年の3月が底であったと判断し、資産の3分の2を一気に投資した。しかも新興株の比率は結構高い。

今の社会というのは投資であれなんであれ、相関係数が高まる傾向にあると思う。日本も海外も連動して動くもんだから、資産が減るときも一瞬だし、上がるときも一瞬なのだ。だから3月が底だとある程度見切った人は、全体の値が上がる前に一気に資産を投入しているわけだ。そして、その流れにつられて多くの人が市場に資金を投入するためにその上昇はV字回復のような様相を呈してしまう。このスピード感はかなり怖い。そしてこの見極めはかなり難しい。しかし、こうした相関係数の高まりとその速度を踏まえた上で投資するのと、踏まえないで投資するのとでは、今後の成績は大きく変わってくると思う。

今のところ僕の資産運用はほどほどに快調だし、経済のこともわかってきてかなり楽しいのだが、こういう殺伐とした場所へわざわざ資産を投げ込むおじいちゃんやおばあちゃんは一体何を考えているのだろうか? …とも思ったりする。まぁ、余計な心配なわけだけど。

Posted by Syun Osawa at 00:16