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2009年10月16日

痛Gふぇすた 2009

2009年10月4日/お台場・レインボータウン

痛Gふぇすた 2009痛車の祭典。凄すぎw

痛車とは車にアニメやゲームのステッカーを貼ったり、塗装がほどこされた車のこと。コミケや秋葉原に行けばちらほら見かけるが、一度に900台近い数の痛車を観る機会などないので、終始興奮しまくりでシャッターを押し続けた。

痛車のいいところは、最初に「痛い」と宣言することで、あとはどこまでいってもオールオッケーという空気があることだ。だからダサいという感性が生まれにくく、あるのはカッコよさへの一方通行である。車への愛とキャラクターへの愛が車に投影されており、どの車の完成度も極めて高い(金かかってる!)。しかも、最初に痛いことを前提にしてハードルを下げてるから、そこからカッコよさに昇華される上昇の幅がぐんと大きくなって、感動も倍増するのだ。そら、美少女で埋め尽くされたリムジンを見せられた日には、「日本ハジマタw」って思うよ。ほんとに。

痛Gふぇすた 2009 photo 01

痛車があまりに凄すぎて、ほとんどそっちの記憶しか残ってないくらいなのだが、僕はアイドルヲタクなので、ニコニコ動画の「踊ってみた」タグの有名な踊り子がイベントに参加することも目当ての一つになっていた。ほぼ全員の名前を知っていた僕は、軽く「人生オワタ」状態に入っていることは間違いない。

彼女達は素人とはいえ、自らニコニコ動画にアップしたダンス動画が彼女達のキャラを立たせており、後ろにそれぞれの物語を宿している。さらにブログやねとらじ、ニコ生がそれを補強しており、だからこそ、アイドル消費が可能になっているわけだ。イベント後にはサイン会もあって、そこへ踊り子達がマスクをして登場。なかなかの盛況っぷりだった。マスクをしながら芸能人と同じようにサインを書いている姿は「踊ってみた」を知らない人には異様な光景に見えただろうと思うが、知っている人からすれば許容範囲である。

ようするに、その文脈を知っている人がどれだけいるかってだけの話なのだ。踊ってみたでトップクラスの人気を誇るまころんがニコ生をやると、数千のオーダーで彼女の放送を見る人がいる(もちろん僕も!)。踊ってみたの動画で人気のものは数十万クラスの再生回数がある。つまり、この程度の数はいるわけだ。

これは、僕が昔ハマっていたDTMの MOD や、オールディーズ系のアニメ上映会アニドウの客でも似たようなことが言えるし、日本野鳥の会、食虫の会、スポーツチャンバラだってそうだろう。昔からマイナーな文化が好きな人は結構いるのだ。ただ、彼女達の状況がそれらと少しだけ違うのは、これまで芸能プロとメディアが商品化して切り売りしていたはずのアイドルシステムが、その仕組みごと素人の手に渡り、素人の中だけで消費されてしまっていることだ。この状況は、大塚英志『 物語消費論 』で示された最終局面にかなり近い状況なのだろう。

痛Gふぇすた 2009 photo 02

ま…ともかく、今回のこのクオリティに尽きる。

Posted by Syun Osawa at 01:18