bemod

2010年01月23日

アバター

監督:ジェームズ・キャメロン/2009年/アメリカ/新宿バルト9

アバターこの作品の3D版は、字幕が浮き出ていて見にくいというレビューを数多く見かけたので、思い切って日本語吹き替え版を見た。3D用のメガネを2時間半以上もかけて立体映像を見るだけでも大変なのに(しかも、僕の場合はメガネ・オン・メガネw)、その上、見にくい字幕を追いかけるとなると、かなりの集中力が要求されたはず。今回はいつも以上に映像に集中したかったから、この選択は多分正解だったと思う。

「3D映像がスゲェ!」って話に限って言えば、ディズニーランドのアトラクションにだってかなり昔からあったし(しかも、座席からエアーが吹き出るなどより体感が強い)、他にも、国立科学博物館の シアター360 で、球体の中の全方位スクリーンを体験している今となっては、ガーンとやられる感じは特になかった。それでも、3Dメガネを2時間半以上かけて映画を見るという経験はこれまでなかったので、その点については新しいと言えるのかもしれない。

物語の内容は、「ネト充・イズ・リアル」って感じ。

現実の世界では車椅子で生活している主人公が、アバターに転移しているときだけは、充実した生を感じるようになる。そして、最終的に主人公は現実世界の身体を捨て、アバターとして生きる決意をするのである。これって、非リア充な人が、ネットの世界で充実したコミュニケーション空間を築いていて(ネト充)、最終的に、そちら側の人になっちゃったという話だ。東浩紀氏の名言を借りるなら、「お前は二次元になりたいことはあるか? 俺はある!」を最後に実行したといういう意味において、わりとベタなSFファンタジーということになる。

でも、最後の大きな跳躍は、個人的には微妙だ。気持ちはわかるけれど、そう上手くはいかない回路にこそ、真のトゥルーエンドが潜んでいる気がする…とか言うと、2010年代になっても、未だにセカイ系の想像力から抜け切れていない自分の想像力に嫌気が差すので、「まぁ…ちょっと微妙だけど、よかったお!」と書いておこう。実際、初めてアバターがジャングルに分け入ったシーンなどで、立体表現を駆使した演出が冴えていたし、全編通してアトラクション的な要素がかなり熱かったことは間違いないので。

毎度の事ながら、ジェームズ・キャメロンは強い映画作るよなぁ。

Posted by Syun Osawa at 01:12