bemod

2010年02月02日

CYBORGじいちゃんG ― 21世紀版(全2巻)

小畑健/2001年/集英社/四六変型

CYBORGじいちゃんG ― 21世紀版会社の同僚から『BAKUMAN』が面白いと聞いた。何でも漫画家をネタにした漫画らしく、漫画業界の裏側などがわかって面白い、とのことだった。『まんが道』や『 吼えろペン 』などの漫画家漫画が好きなので、これは読むしかない。そう思って読み始めたのが、『CYBORGじいちゃんG』だ(え?)。

小畑健氏の名前は、1998年に連載された『ヒカルの碁』のヒットで一気に知られるようになったと思う。その後、ネット上で作画担当の小畑健氏が、実は『CYBORGじいちゃんG』の作者だったということが話題になり、結果として、この作品にも再びスポットライトが当てられることになった。『CYBORGじいちゃんG』は僕が学生だったころにリアルタイムで読んでいた漫画でもあったので、『BAKUMAN』を読む前に、ともかく読んでおきたかったのである。

今の小畑氏の絵のタッチとはかなり異なっているが、ともかく絵がヤバい。それはもう圧倒的と言えるほどで、サイボーグのメカニカルな部分も丁寧に描き込まれているし、連載当時、若い頃の爺ちゃんのカッコよさ(特に最初の登場シーン)に鳥肌が立ったことを今でも覚えている。週刊誌でこのクオリティを維持していたことが、にわかに信じ難い。しかも当時まだ20歳くらいだし、やはり天才っているもんだねぇ。

画力がパネェことはわかりきいているので、ストーリーの話。

この作品のストーリーを学生時代の僕がどのように受け止めていたかは憶えていないんだけど、それなりに日常コメディ的なものを楽しんでいたように思う。が、この歳になるとさすがにちょっとドラマが弱いような気がした。爺ちゃんのサイボーグは戦闘用になることを拒否した上での農業用だったというエピソードとか、設定的には僕の好きなものも多く広がる感じもあるのに、ドタバタに終始している感じ。ライバルも最後までキャラ立ちしなかったのも痛い。

そんな中で唯一、案山子が女子高生に恋をするというストーリーは結構いい感じだった。この話は連載時に読んだ記憶がはっきりと残っていた。それくらい印象深かったのだ。そして、この作品だけなぜか最後のコマの横のところに「GUEST NOBUHISA TSURUOKA」と書かれていた。これは漫画家の鶴岡伸寿氏がストーリーに協力したという事だろうか? だとすると、小畑氏が最初に原作と作画という体勢で漫画を描いた最初の作品がこのエピソードという事になるのだろうか? 詳細はまったく不明。

PS.

爺ちゃんの孫に当たる小学生の男の子が、何から何まで『幽遊白書』の主人公にかなりそっくりだったのだが、あれは当時のパロディ的なものだったのだろうか? それとも偶然だったのだろうか? 前田太尊だったのだろうか?

Posted by Syun Osawa at 01:33