bemod

2010年02月23日

THE VOC@LOiD M@STER 11

2010年2月7日/時間13:00−17:00/大田区産業プラザPiO

PiOに行ったのは、文学フリマ 以来か。文フリの10倍くらいの人がいて超満員。M3とか含めてたまに行く会場だけど、あんなに人が入っているPiOは初めてだった。コスプレありだったことも関係しているのか、半分以上が女性だったし、なるほどボーマス(通称)ってのはこういう人口構成比で形作られているんだな。

今回のイベントで一番感動したのは、ライブステージがあったことだ。僕が昔たまに行っていた音系の即売会って事前にネットでチェックするか、当日ヘッドフォンでエアチェックするかするかだったので、実際のライブをやってブースに引き込むという展開があまりにも真っ当で、その進化の正しさにJ-POP業界の低迷の原因を見てしまったほど。

ライブステージではミクのカバー曲や本人たちの作ったミク曲を演奏したり、踊ったり、歌ったりとかなり熱いパフォーマンスが展開されていた。そこには、「Just Be Friends」とか「炉心融解」とか「恋は戦争」なんかが共有されている世界がある。しかもそれらの曲の多くが、ボーカロイド自身を自己言及的に歌った曲が多い。こういう不思議なコミュニティの一体感が音楽イベントでありながら、それ以外のもので支えられている気がしてそのことを少し気にかけていた。

例えば、東方系なら多様とはいえゲーム音楽へのオマージュが通呈しているが、ミクに関してはそういうものがかなり希薄になっている。今回のライブでもアクセスのようなスタイルのユニットから、ギター&ボーカル、ジャスバンド、ミクスチャーと音楽も形態もさまざまだったし、根本的にジャンルの枠で縛られていない。さらに凄いのは、ボーカロイドシリーズは後ろ側に物語を持たない(ゲーム的なリアリズムもない)。

そのことが幸いしてか、多くのライトなコスプレーヤーやミュージシャンを呼び込んでいて、「ボーカロイドであれば何でもOK」という不思議な空間を作り出しているのだ。これは近年のロックフェスがジャンル横断的にやろうとしつつも、結果的に島宇宙化(ジャンル化、邦楽洋楽の分離)していることとは少し違う傾向である。

この不思議な一体感はいつまで続くのだろうか?

僕の場合、自分の欲望に素直に従ってしまうと、ミクトロニカオンリーイベントなんかを期待してしまうのだが、それだとロックフェスの島宇宙化と同じ道を辿るだけである。それが決して悪いわけではないが、今の超スーパーフラットに繋がっている状況こそがとんでもなく先鋭的な気もするので、この空間をもう少し楽しんでいたいという気持ちも強い。とはいえ、ミク曲としてアップされた曲を歌ってみたの人が歌うという状況とか、メタにメタが重ねられていくような状況について考え始めると、頭がかなり混乱するのでこのあたりでやめておこうと思う。

音楽の話からは少し離れるが、個人的に「踊ってみた」タグが好きなので、ライブ会場で「魔法のリリック」なんかのダンスが見れたのはよかった。ダンスロイドの振り付け役でもあるYumiko先生は「踊ってみた」を一つの文化に押し上げた本当の功労者だと思う。あと、エロ的な意味では、生で見た みく16歳 はヤバ過ぎたw

Posted by Syun Osawa at 00:56