bemod

2010年02月28日

前田真宏と学ぶMacビギナーのための公開講座

2010年2月13日/13:00−14:00/アップルストア渋谷

前田真宏氏がMacに標準で入っているiMovieを使ってビデオコンテを作るというイベント。ビデオコンテというのは、絵コンテだと伝わりづらい場面転換や時間の流れをわかりやすく説明するために、カメラワークを加えた動画形式のコンテのこと。自主制作アニメではなく、ビデオコンテを作るというところが、ややマニアック過ぎな気がしないでもない。まぁ…僕得ではあった。

何しろ、前田氏のイケメンぶりにまず驚愕。映像では何度か見たことがあったので、事前に知っていたとはいえ、こんなイケメン紳士がシコシコアニメを作っているというのが凄いね。しかも、絵がめっちゃ上手い。ぶっちゃけ、Macを使ってビデオコンテを作るとかそういう動画のスキル的なものなんてどうでもよくなるくらいに圧倒的w これが見れただけでも、行った甲斐があったというものだ。

ところで、ビデオコンテなるものは、アニメ業界ではまだ広く使われていないのかもしれないが、FLASHなんかだとわりと当たり前になっているんではないだろうか。最初に絵コンテを描くのは同じだとして、その後、それをスキャナで取り込んでタイムラインにはめていけば、iMovieなんかを使うよりもかなり手軽にビデオコンテがつくることができる。FLASHだったらカメラワークだけでなく、絵なんかも追加できるし、Photoshopなんかを介してあれこれするよりも、ビデオコンテンツ作りにはFLASHが最適なんだろうと思う。

今回のイベントを見ていて、ふと頭に浮かんだことがある。

それは、「このアニメの制作過程そのものが商品にならないだろうか?」ということだ。ジブリが映画のメイキングをDVDで出しているが、あれのリアルタイム版をやれば面白いのではないか。ヨーロッパで80年代あたりから行われているデモ・パーティー(知りたければ、DEMO99 さん参照のこと)をショートショートのアニメを作る大会にしてしまえばいいわけだ。

これを制作会社対抗でやると金がかかるので、一つの制作会社の中でいくつものチームに分けて、作画で足りない分はアニメ専門学校の生徒で補う。プロ・アマ一体となったチーム編成にすれば、生徒にとってもいい勉強になるだろう。そうやって、数日間の合宿で短い作品を作り上げて、コンテスト形式で順位を決める。ここでつくられたショートフィルムもコンテンツなのだが、この一連の流れそのものもコンテンツになっているのが、デモ・パーティーのよさである。

海外の巨大デモパーティーであるThe Partyなどはリアルタイムで映像の配信を行っているほど人気が高い(他にもAssemblyやGatheringなどが有名)。DVDの売り上げも落ち込んで、打開策のないアニメ業界の一つの突破口として、どこかのプロダクションがこんなことをやってくれると嬉しいんだけど…。

なお、ワークショップとは関係ない話だが、このイベントの最後に民生用の3Dプロジェクターが初お披露目された。簡易の3Dメガネをかけて、その映像を見て驚愕。少し前に観た『 アバター 』も衝撃的だったのに、その衝撃がいきなり家庭で観れるレベルに落とし込まれているのだ。世界の進歩早すぎだろ…。

Posted by Syun Osawa at 00:07