bemod

2010年05月06日

さらば愛しき女よ

レイモンド・チャンドラー/訳:清水俊二/1976年/早川書房/文庫

さらば愛しき女よTwitterで教えてもらって、ハードボイルド小説に初挑戦してみた。この歳になって、ハードボイルド小説の一冊も読んだことがないなんて恥ずかしい話だと言われるかもしれないが、それは逆で、この歳になってもまだまだ初めて経験することがたくさん残っていると思えば、それはそれで生きる希望が涌いてくるものである。ん?

ハードボイルド小説って、よーするにミステリ小説なわけね。…とか書いたら、アシモフ『 鋼鉄都市 』を読んで、SFってミステリ小説なわけね、と書くのと同じくらいのバカにされかたをするかもしれんから、自重する。

薄ぼんやりとした話がハードなシーンで連続的につながれていて、その心地よさと不安定な感じがぐるぐる回ってるうちにオチがストーンッと落ちてくる感じ。この感じってアメリカのサスペンス映画ではわりと見てきた気もするが、小説独特の謎の引っ張り方が僕には不慣れで、文体もなかなか手強く、読むのに少し苦労した。

古きよきアメリカの小説ってこんな感じなのかな? まぁ…嫌いじゃない。つか、面白かった。これがどの程度ハードボイルド小説と呼ばれるものの輪郭をとらえているのかわからんので、とりあえず黙ってあと数冊読んでみることにする。

Posted by Syun Osawa at 01:13