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2010年08月18日

「アニメーションの先駆者 大藤信郎」展

2010年7月24日/15:00−15:40/東京国立近代美術館フィルムセンター

「アニメーションの先駆者 大藤信郎」展津堅信之氏によるギャラリートーク。津堅氏って今、京都精華大学准教授なんだねぇ。知らなかった。

今年は何故だか東京国立近代美術館フィルムセンターが大藤信郎をプッシュしている模様。何でこのタイミングで大藤なのかはわからないけれど、フィルムセンターに大藤氏関連の映像が結構な数で眠っていたらしい。個人制作でアニメを作ってきた人のアーカイヴとしてはかなり充実した内容になっていた。

中でも凄いと思ったのが、大藤氏がアニメを製作現場を映した映像がカラーで残っていたこと。彼はアニメの制作を脚本から作画、着色、撮影まですべて自分で行っており、その様子が鮮明なカラー映像で映し出されていた。これは、戦前のアニメの制作環境というだけでなく、個人制作系のアニメが戦前にどうつくられていたかという意味の資料としても貴重なんじゃないかな?

当時のアニメが主にどのような体制で作られていたかはよくわからないが、大藤に限って言えば姉の協力を借りながらほとんど家内制手工業的に制作を続けていたようだ(二人とも独身だったらしい)。また、技法として、影絵、セル、色セロハンなどを使ったり、材質に千代紙を使うなど、アニメ制作会社のルールに則らない制作スタイルを確立していて、そのため海外での評価が高かったらしい。まさに、今の個人制作系アニメ作家のパイオニアとでも言えるような存在だったのかも。ただ、それにしては彼の名前が冠された大藤信郎賞の受賞作品を見ると、受賞作品のチョイスがいまいちよくわからんなぁw

個人的な興味としては、彼が戦中に作っていたプロパガンダ系の作品が 戦争と芸術 絡みで気になった。今度上映会があるので観に行こう。日本の戦前のプロパガンダアニメだけを集めてたDVDとかないものだろうかね…。

Posted by Syun Osawa at 01:08