bemod

2010年08月23日

ギャング・オブ・アメリカ

監督:エレイナ・アーチャー/2006年/アメリカ

ギャング・オブ・アメリカうーん。もう少し面白いかと思ったんだが…。アメリカで作られたギャング映画の歴史をザッとおさらいするようなドキュメンタリー作品。『ゴッドファーザー』シリーズからギャング映画にハマって、学生の頃にはちょくちょく見ていたので、最近の作品に関しては見ているものも多かった。

ギャング映画の歴史はかなり古くて、戦前からかなりの数が作られていたようだ。勧善懲悪の割とわかりやすいギャング映画に始まり、ギャング=悪者というイメージが転換して、ギャングスター的なカッコよさを帯びていく。そういう部分が戦後のヘイズ・コード(倫理的な引き締め)によって一旦は抑制されるも、また復活した。それだけ要望があったということだろう。

僕がギャング映画(マフィア映画)が好きなところは、結末が死であることが多いことだと思う。シルヴィオ・ピエルサンティ『 イタリア・マフィア 』等を読むと、現実のマフィアも他人を簡単に殺すし、自分も簡単に死んでしまうという破滅型の美意識に貫かれている。つまりギャング映画は究極の自己完結型物語なのだ。

また、彼らの脱法行為や違法行為を見ることで、どこか帳尻を合わせている部分もあるのかもしれない。僕達が選択している社会は、ルールに則って正しく回れば回るほど、閉塞感を漂わせる。資本主義は真綿で首を絞められるようなやり方で勝ち負けをつけるし、マジメに生きたからといって幸せが保証されるわけではない。そんなやるせなさを共産主義革命とは違った形で突破しているように思えるのがマフィア映画だったりするのだが、それはちょっと言いすぎか。

ともかく、以前見たと思うのだがすっかり内容を忘れてしまった『ブロンクス物語』、『カリートの道』、『グッド・フェローズ』を見ることにしよう。

Posted by Syun Osawa at 01:09