bemod

2011年04月17日

3Dヴィジョンズ ― 新たな表現を求めて

2010年12月21日−2011年2月13日/東京都写真美術館

3D ヴィジョンズ会社帰りに自転車で恵比寿へ。アフターファイブに美術館とか、ちょっとオシャレ風で気持ち悪いのだが、会社からも近いし、夜に行くと夜専用のスタンプカードをくれたりするので、しばらく通ってみるのも悪くないかも…。

とはいえ、僕は写真をアートとして鑑賞する感性がほとんどないので、単純な写真展だとやや辛い。今回は、3D映像の歴史を扱った作品展だったこともあり、以前行った 公開講座「3D立体映画の仕組みと視覚特性」 の知識を踏まえて見に行くことにした。

展示の内容は前半が3Dの歴史、後半が3Dアートの現在という感じ。前半のほうは、わりといろいろなところで見ているため、それほど目新しさは感じず。よーするに、3Dの技術というのはかなり古くからあって、人間の左右の眼の視差を利用するという点においては、昔も今もほとんど変わっていない。

光の縦波と横波を交互に操作する偏光板を用いた3Dメガネにしたって今の技術というほど革新的なものでもないので、結局は3D映像を扱ったこの手の企画というのは、新しいようでこれといって新しさが出ないのだ。

では、なぜ昨今、3Dのブームが起こったのか?

それは、キャメロンの『アバター』が素晴らしかったからに他ならない。あの映画が革新的だったのは、3Dの技術ではなく、3Dの演出の技術だったのだと僕は思っている。今回の展示でも、その3Dの見せ方にこだわった作品がいくつか紹介されていて、そのアプローチの仕方がとてもよかった。

繰り返しになるが、視差を利用した3Dにこだわれば、今の最新技術を使ったとしても立体の映像が昔よりもより立体に見えるということはない。だから、これからの3Dにまだ余地があるとすれば、どのように3Dっぽさを演出するかというところにしかないように思う。でも、巷では3DSとかブームになっているし、3Dテレビなども含めて、ブームは結構続いているから、何とも不思議な感じだ。

Posted by Syun Osawa at 09:26