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2012年03月14日

コンテンポラリーアニメーション入門 第8回

2011年10月8日/18:00−20:00/東京藝術大学 馬車道校舎

山村浩二さんが開かれている東京藝大の公開講座。

ロンドン在住のアニメ作家・キャロライン・リーフさんを迎えての上映会とトークショー。トークありのイベントは 昨年の12月 以来で結構久しぶり。海外のインディペンデントなアニメ作家を日本に呼ぶというだけでも大変だろうと思うので、こういう貴重な機会を無料の公開講座という形で実現してくれている山村さんには感謝の言葉しかない。

今回のイベントでは、リーフさんが1970年代から90年代にかけて作った「ガチョウと結婚したふくろう」「ザムザの変身」「姉妹」などが上映された。ガラスの上で直接油絵の具を使って1コマずつ描き変えたり、70ミリフィルムにスクラッチするような彼女の描画スタイルが、どの程度インディペンデントなアニメの制作スタイルとして普及しているのかはわからない。ただ、作品に描かれた物語だけでなくアニメーションという手法そのものにも強い関心を持っていることを感じさせる作品たちだった。

イベントの後の質疑応答の時間に、観客から大学の教師をやりながら、自身の作品を作っていくことについての質問があった。これに対してリーフさんは、本当なら教師はやらずにずっと作品を作っていたいと答えていた。僕の姉の旦那はイギリスで陶芸をやっており、同時に教師もやっている。そんな彼も同じようなことを言っていたことを思い出した。よーするに、彼女たちは食うために割り切って教師をやっているのだ。それに対して、日本だと教師という立場自体がステータスになってしまっている。

以前、村上隆さんが日本で美術を志している人の終着点が美大の先生だということを批判していたが、姉の旦那の感覚というのはたしかにグローバルなものだったんだなと、このときあらためて実感した。

Posted by Syun Osawa at 00:16