bemod

2012年06月20日

思考の補助線

茂木健一郎/2008年/筑摩書房/新書

思考の補助線何気に初茂木健一郎な気がする。彼の本は『脳と仮想』から読むと決めていたはずだったのだが、なぜかこの本を読んでしまった。この感想文が読了後5ヶ月以上経過してから書かれている(えw)こともあって、正直どんなことを書いているのか覚えておらず、もはや忘却録としても機能していないところが悲しいのだが、「補助線」という言葉に引かれて読んだことは間違いない。

数年前に宇野常寛さんの『 ゼロ年代の想像力 』を読んだときに、古い想像力と新しい想像力を補助線で分けていて、おそらく僕はこれが頭に浮かんだのだ。そして、手がかりのないゼロ年代の空気を掴むためのきっかけとして必要な作業のように感じたのだろう。

内容的には「茂木さん頭いい!博学!」という部分を除けば、「自分でよーく考ろ!」という類のアジテーション本だった。モチベーションを上げるための本と言えばよいか。茂木さんはそういう文章を書くのがとても上手で、彼のブログを読んで勇気付けられることも多い。

「根拠もなくモチベーション上げてどうすんだ?」的な突っ込みは当然の反応だと思うが、僕のように落ちぶれたサラリーマン生活を送っていて、それでも少しはクリエイティブに生きたいなぁ…とどこかで思っている人間には、案外この手の本は機能するのだ。そういう意味では読んでよかったと思えた本だった。

Posted by Syun Osawa at 23:09